中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

タンパク質を考える(30)菌との共存も

 昨日のネットニュースに(虫歯がうつらないように親子で食器などを別にしている)

というものだったがあった。

 私は一読するなり、アホかいな、と思った。ところが、そのようにしている人たちが多くいるらしいということにも驚きました。

 母親が「お父さんは虫歯があるから、お父さんが使った食器などは使わないように」

「お父さんと頬ずりなんてしちゃだめ」

と、息子や娘に強要して、家族関係までぎくしゃくした家庭もあるらしい。

 このような問題が意外と広がっていることを察知した「日本口腔衛生学会」が8月31日に、この問題に関するまとめを発表しています。

 それほど社会に広がっていたとは知らなかったが、こういうことは口コミでどんどん広がるのでしょう。

 確かに虫歯がうつるという点に関しては正解ですが、食器やスプーンなどまで別に

するというのは、異常だと思います。赤ちゃんが離乳食を摂るころになると、いろんな菌が入るようになりますし、その中に虫歯菌だってい入るでしょう。

 そういうことを気にして悩んだり、家庭不和になるのは、体のことを知らないからだと思うのです。

 虫歯にならないためにはどうすればよいのかという基本的な取り組みが大切なのです。わたしは89歳ですが、抜歯した4本を(この抜歯には当時の歯科のもんだいでもあるのですが)除いてあとはすべて自分の歯です。

 虫歯にならないためには、虫歯菌が好む環境をつくらないことですが、これがなかなかむつかしいですね。歯磨きの方法だってちゃんと研究している人は少ないものです。

やたら力を入れて磨いてもいいものではなく、歯垢を取ろうと歯間ブラシを使いすぎても良いとは思えない。甘いものを食べないことが虫歯の予防にはよいのですが、辛抱が出来ない人も多いはずです。

 小さな赤ちゃんにチューと口づけするなんてことは最も悪いことなのですが、たいていの両親はやってしまうでしょう。

 そのようなことを、いちいち気にしていては子育てもできない。

口の中には口腔内細菌がいて、それらの細菌が外部からやってくる菌から守ってくれているのですが、薬品を使ったガーグルをやりすぎると口腔内細菌をなくしてしまうことにもなる。

 ケースバイケースで使うことが大事です。

 親子の頬ずりまで気にするようでは、親子関係も崩れてしまいます。

 清潔はとても大事なことですが、病的な清潔はよいとは言えません。

 手の平や手の甲にもいろんな菌がいて皮膚を守ってくれています。

日に何度もアルコール消毒していてはそういう菌も殺してしまいます。

 大切な菌との共存も必要なのです。