文芸春秋2月号・巻頭の立花隆さんの文章の中に、没後20年の
武満徹さんのことがふれられている。
今更ながら武満さんの偉大さを知る内容なのだ。
私もCDを買い求めて、今一度武満音楽の世界に浸りたいと
思っている。
武満さん作曲の「環礁」は、音楽的にも素晴らしいが、大岡信さん
が付けた詞が素晴らしいと紹介されている。
でも、この詩を読んで、あるいは聞いて、いまの若い人たちに
分かるのだろうかと思ってしまう。
坂本九さんが歌っている歌の中の(見上げてごらん夜の星を・・)
という、詞でさえ、若い人には詞の中に込められた思いが伝わらなく
なっていると言われている。朝起きて、歯を磨いて・・というような
詞が多い昨今の影響のようだが。
ところで、大岡信さんの詩を書いておこう。詞の中に入り込めた
人たちは、興奮しすぎないように・・・。
「 唇と唇がつくる地平線に てのひらの熱いことばに
からだとからだの噴火口に ひとは埋まる
いのちと死がだきあっている 魂のシャム双子児を 」
エロチックの極限のような詩ですね。