厳しい寒波が去ってわが家ではほっとしている。
やはり花が駄目になってしまうのは悲しいから、夜間に室内に
取り入れていたが、もう大丈夫。
例年のことだが、厳しい寒さが去ったかと思ったら、またまた寒さが
ぶり返してくることがある。
私の子供の頃は「奈良のお水取りには寒くなる」と言い伝えられて
いた。
お水取りとは東大寺の修二会の本行のことで、3月1日から14日までの
2週間行われる。修二会の詳しいことは検索して調べていただきたいが、
私がここで書こうとしていることは、お水取りに使われる「水」のことなのだ。
この水は、若狭の遠敷明神(おにゅうみょうじん)が、神々の参集に遅れた
お詫びとして2月堂に献じられたと伝えられている。
井戸で汲んだ水を2月堂に送る「お水送り」が3月2日に行われている。
私が驚いているのは、この「若狭神宮寺」という名称だ。
神と寺が名称に入っている。神仏習合そのものが、そこにある。
も、神仏習合の長い歴史を読み取れる。
仏教は日本に入ってきた553年以前から八百万の神々がいたが、仏教が
入ってきてからも、排除せずに習合してしまったのは、日本人の魂だろう
といわれる。
西欧史に大きくかかわる一神教の国々の、宗教による戦争が、日本には
ほとんど見られないのも、このような日本人の魂のせいではないだろうか。
奈良のお水取りの歴史は長い。