時計の音を聞いたことがありますか?
多分、目覚まし時計の音は聞いたことがあるでしょうね。
昔懐かしい「柱時計」「掛け時計」の音を聞いたことがあるという
人は少なくなっているでしょうね。
今日は、「腕時計」の音について書いています。
私の腕にはめている時計との付き合いは、ちょうど40年になります。
40年間もよく動いていますよね。しかも、一度も手入れ(修理)もして
いません。
耳に近づけると、何とも爽やかに、静かにシャカシャカと音がします。
私に寄り添って40年間もたゆまず時を刻み続けてくれていたのかと、
愛おしくなります。
この時計は、私のすべてを知っているのだなと、分身のような気持ち
を抱いてしまいます。
今ではほとんどの時計が水晶時計(クオーツ)になってしまいました。
正確ではありますが、電池で動きますよね。ですから、音がしないのです。
音がしないということは、生き物ではないような感じがします。
そういう意味では、私の時計は、歯車のかみ合わで時を刻んでいる
「機械」なのです。
そのような多くの部品を支えるために宝石が使われています。
以前は「17石」とか「21石」などという言い方をしていました。たくさん宝石
が使われている時計ほど、正確で高級だったのです。
私の時計は、一枚の金属を掘り下げて作り上げられていて、気密性が
高いために40年間も正確に時を刻んでいるのでしょう。
そっと耳に近づけては、その「素晴らしい音」に聴き惚れています。
愛着とはこういうことを言うのでしょう。
多くの「もの」を得て、そのほとんどを失ってきましたが、この腕時計は
私にとって、たった一つの「もの」として寄り添ってくれています。
素晴らしい音ですよ。時計店などで、機会を作って腕時計の音を
聴いてみてください。機械が機械ではなく、とても愛着の持てるものだと
気が付くことでしょう。