中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

汚染水・はだしのゲン・読解力

 今朝の毎日新聞の「余禄」(朝日新聞天声人語のように、その新聞を代表する)に
面白いことが書かれていた。
『「禍、独り行かず」とは、わかりやすく言えば「泣きっ面に蜂」。災いは立て続けに
起こるということで、「踏んだり蹴ったり」「一災起これば二災起こる」「前門の虎後門の
狼」といったことわざが多いのも、それが人生の事実だからなのか』と、東電の汚染水
対策の拙さと重ねて書いている。
 同じ朝刊の「社説」には、「この作品を読み継ごう」と、はだしのゲン閉架問題を
取り上げている。
 社説には、「少人数指導で向上図れ」と、全国学力テストの結果として、読解力が
欠如している傾向を改善すべきだと訴えている。
 
 東電の汚染水対策の幼稚さはこれまで何度も書いてきた。この傾向は当分改善
されないと思う。なぜならば、それが東電の体質であり、レベルであるからである。
 はだしのゲンについても先日触れておいた。
臭いものにふたをする教育は間違っている。このような間違った判断をした経緯には
親たちの突き上げがあったからだと思うが、ものの考え方の「芯」がずれていなければ
こんな判断にはならない。言い換えれば、芯のずれた考え方がいったんは正義だと
判断されたことになる。世の中にはよくある現象だが、何が正しいか間違っているのか、
芯をずらさない考え方が大事だろう。
 
 そういう意味で、読解力の低下はますますものの考え方の後退が起こることにつながる
のではないかと案じている。読書嫌いの子供たちが増えている。絵と短い文章のマンガ本
ばかりでは読解力は育たない。
 このブログでは、これまで何度も読書の勧めを書いてきたが、やはり読書の習慣を身に
つけてほしいと願っている。
 読書は人生を豊かにし、楽しくしてくれる。どうしてこれほど面白いものを嫌うのかよく
わからない。私の知り合いに「読書をしない人とは会話したくない」とはっきり言う人がいるが、
それは「読書する人とは会話が弾んで面白い」と言っているのと同じことかもしれない。
 最近読んだ本の中では「やわらかな生命」福岡伸一著(文芸春秋)をお勧めしたい。