中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

故郷をネズミとイノシシに奪われた人たち

 昨日のNHKクローズアップ現代」を観て驚いた。
福島第1原発疎開を余儀なくされている人たちは多いが、場所によっては、
放射線量が減ってきて住み慣れた「我が家」に戻れる可能性のあるところも
出てきそうだと希望を膨らませる人たちも多い。
 ところがだ、恐ろしい現実が「わが故郷」に起こっていたのだ。
クマネズミが、想像を絶する規模で繁殖し、拡大し、ものすごい勢いで
家屋まで損壊していたのだ。
 「これまでは、帰宅できる日を待ちわびていたが、ネズミにここまで家を
食い荒らされていては、もう帰宅する気持ちもなくなってしまった」と嘆く人々の
声が悲しい。
 ネズミだけではない、イノシシが群をなして道路を闊歩している。農産物を
荒らしまわって、農家の生産意欲をなくさせている。
イノシシを捕獲しても、その肉には規定の数百倍もの放射能があり、売り物に
してはならないと定められている。
 当然のようにサルも出没している。
 すでに、人間の生むところではなくなりつつある現実がそこにはある。
 熊ネズミの大集団、イノシシが群れをなしてはっぽする姿を見ると、これが
あの事故までは人里だったのかと疑うほどにひどい。
 原発事故を忘れ去ろうとしている人たちよ、原発事故のために立ちおいている
町や村に行ってみるとよい。
 あの原発事故は、もう少しのところで関東全部を破滅させるところだった。
もし、そうなっていたら、関東は全部このようにネズミやイノシシやサルや鹿の
群れる場所に変わっていたのかと思うとぞっとする。