中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

日本人よ熱くなり過ぎるな!

  中国の尖閣諸島への領海侵犯が相次いでいる。北朝鮮は長距離弾道弾
を発射した。日本中が騒いでいる。でも、熱くなってはいけない。冷静さを失って
はいけない。
 今日は、戦争を知らない人たちに申し送り事項として書いておきたいと
思っている。
 戦争なんてもう絶対にないだろうと思っているのは大きな間違いだ。
国と国が、利権を挟んで、ちょっとしたはずみで戦争を起こしてしまう。
戦争を起こすのは、その時の政権だが、その蔭には国民の無知な力が働いて
いるものだ。結果的にいえば、戦争は国民が起こしていると言ってよい。
 阪神淡路大震災1・17)では、家が壊れ、火災が発生して6、437名の
方が亡くなった。
 東日本大震災、大津波では、15,878人が亡くなり、2、713人の方が
いまだに行方不明となっていて、合計では18、591人の方々が犠牲に
なった。 (2012年12月13日現在)
 これらの地震や、津波による災害にも、人災と言える部分が決して少ない
ない。
 ましてや、福島第1原発の事故では、直接の死者こそ出ていないが、死者
だけででは推し量れない多くの犠牲者が生まれている。あと一歩で、多くの死者
が出ていたであろう恐ろしい大事故だったのだ。
今もなお、10万人以上の人々が故郷の福島に帰れないと言う悲惨な状況を
作り出している。
 私の若いころ、この国は戦争をしていた。この戦争のことを、戦争を知らない
世代の人たちのために数字で書いておきたい。
 あの戦争では230万人の兵隊が戦死し、一般人も80万人が死んだ。
日本人だけで合計で310万人という膨大な死者を出したのである。
太平洋戦争の期間は約3年半だったから、1年間当たりにすれば毎年90万人
が戦争が原因で死んだということになる。
 東京の大空襲では一晩に10万人以上が殺されたし、広島、長崎の原爆では
38万人も簿犠牲者が出た。
 私は大阪で3・13の大空襲の直撃を受けた経験があり、その時の恐ろしい
記憶が絶対に忘れられない。空襲の2日後、焼け残った木材を集め、その上に
トタンを敷き詰め、その上に死体を山のように積み上げて焼いていた悲惨な光景を、絶対に忘れることなど出来ない。
 以上に書いた数字をもう一度ゆっくりと見直してほしい。あの巨大津波や大地震
より恐ろしいことが戦争では起こってしまうという事実である。
 地震津波と比較してはどうかとも思うが、戦争当時では、1週間に一度の割合
東日本大震災が起こっていたという計算になる。
 それほど恐ろしい経験をしたからこそ、憲法第9条戦争放棄を明記した
のではなかったのか。今回自民党は、憲法第9条を改正すると明言している。
自民党が圧倒的勝利に終わると、一気に憲法第9条改正へ突き進むだろう。
 戦争を知らない世代の人たちが増えた。政治家かのほとんどが戦争の怖さも知らない人たちで占められている。
 北朝鮮、韓国、中国などと領土問題などで緊迫した状態の中にあって、「それいけ!」と叫ぶ強がりだけの集団が増えてくる。
 今の日本は極端に右に偏りかけている。いつかの時代とよく似ている。国民は、
冷静になって、日本という国の将来を考えるべきお大切な時が来ていると私は思う。
 「経済最優先」主義というのは、弱者切り捨て主義と同じである。経済発展は
いつの時代でも産軍協同で進められてきたものだ。早い話が、世界中の経済
発展のテコ入れとしては、軍備の拡充と無駄な箱モノ作りが関わってくる。
 要らぬ道路を作り、鉄道を作る。鉄やセメントなどがたくさん使われることこそが
経済発展につながるという、単純な仕組みなのだ。原発も経済発展のために
作られてきた。日本中が活断層の上にあることも忘れて(意図的に伏せて)
原発絶対安全という、真っ赤なウソを長い間にわたって言ってきたのは、どの政党
だっただろうか。
 私たちは、いつも騙される。騙されながらもついていく。そして殺される。一切合財を失う。おれおれ詐欺や、尼崎の大量殺人事件とどこか似ている。
 最後にひとつ書き添えよう。歴史的に考えて、中国という国は、膿を隔てた国に対して、自ら戦争を仕掛けたことがない。挑発こそしても自から攻めてくることはない。
 第2次世界大戦時のアメリカも、日本が仕掛けてくるのひたすら待ていた。
外交とはそういうものである。だからこそ、国民が熱くなりすぎるうと、馬鹿な政治家たちが動揺して、思わぬ結果を招いてしまうものなのだ。