中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「おれおれ詐欺」 だんだん悪質に

 これを書いた8年前と今とを比べると、おれおれ詐欺はなくなるどころか
悪質化しながら増えているらしい。
 どんなサギであっても、共通点はある。騙される側に「慾」がなければ
絶対に騙されないということだ。騙された人には厳しい言い方だが、
欲が絡んで騙されたか、単に幼稚だったということになる。
悪い連中に、濡れ手で泡のような大金を与えないためにも、みんな賢くなろう。
 
豪州 JAニュース新聞 200411月号
なんでも ホンネ・コラム   おれおれ詐欺
 
 最近の日本国内のニュースには、肝が冷えてしまうほど冷酷で非情なものが多く悲しい気持ちになってしまいます。「情」とは心のことですが、最近では情を感じる日本人が少なくなってきているのでしょうか。それでも高齢者の中には『情』を持っている人々が多く、その高齢者の『情』を逆手にとった「おれおれ詐欺」の被害が日本で広がっています。
俺おれ詐欺とは、突然見知らぬ人から電話がかかってきて「俺やおれや」「おお・・正夫か」「そう、正夫や、交通事故を起こしてしまった。相手が運の悪いことにヤクザで示談金を払わないと殺して東京湾に沈めると脅かされている。直ぐに50万円を相手の口座に振り込んで欲しい」とか、「山本さんですか、お宅の孫が私の車にぶつかってきて、私の外車が台無しになってしまった、孫さんと代わるから話をしてください」「おじいさん、俺や・・大変なことになってしまった」と泣き声で言うので「ああ・・哲夫か・」「そうや哲夫や・・おじいさん助けて!!直ぐに200万円をこの人の口座に振り込んでくれないと俺は殺される」というので息子や孫の身を案じ、ついつい騙されて相手の口座に振り込んでしまった総額が今年1月から7月までの半年間で、なんと77億円になったと警察庁から発表されました。
おれオレ詐欺は昨年5月頃から急激に増加し始め、昨年一年間で約6500件、被害総額43億2千万円でしたが、今年に入って半年間で7600件を超え被害総額も77億円に膨れ上がったというから何とも恐ろしい世の中です。
手口としては交通事故の示談金名目などで指定口座に入金させるオレオレ詐欺から、最近では「孫を誘拐した」と脅迫電話をかけたりする手口の事件も増えています。また、消費者金融への借金返済や架空の妊娠話で中絶費用を求めるケースや、会社の損失の穴埋めや、傷害や痴漢など事件の示談金を求めるなど信じ込みやすい架空の話を切り出すこともありますが、ごく最近では弁護士を名乗る場合や、刑事を名乗っての電話などますますその脚本と演技は巧妙になっているようです。最近では、子供が海外に留学中などの家族を狙った新手も出てきているので、ご家族がこのような詐欺に会わないためにも、留学中の学生やワーキングホリデーで来豪中の方は日本の家族と充分な連絡を取って欲しいものです。『おれオレ詐欺』講座を開いていたグループが逮捕され、「おれオレ詐欺会社」を作っていたグループが摘発されています。それにしても、どうしてこのような幼稚な詐欺に引っかかるのでしょうか。詐欺に引っかかるのは欲張りの人か無知な人に多いといわれていますが、危機意識の希薄な人や、社会の事情に目を向けない人も被害に遭い易いのではないかと思います。親が子や孫を思う気持ちを逆手に取った卑劣なこのような犯罪を憎むとともに、オーストラリアの親子関係では『おれオレ詐欺』は絶対に成り立たないと
考えると、日本人はまだまだ『情が』厚いのか、幼稚なのか考えさせられてしまいます。