中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「あなたの愛犬はアホなのですか」

 この記事は、オーストラリアに移住する以前に神戸で体験した話を
書いたものです。2005年に帰国して感じたことは、何も変わっていないと
言うことでした。犬の飼い方も知らない人々が犬を飼っている。
犬の側からみれば「なんと馬鹿な人間たちが多いのだろう」と思っている
ことでしょう。猫だって、しつけをすれば飼いやすい猫になります。
子育ても碌にできない人たちが、ペットを飼って愛情を注いでいるって
なんだかおかしいとは思いませんか。犬をワンワン吠えさせて近所迷惑。
子供は、公共的施設の中でもギャアギャア泣かせる。これでは日本の
将来が思いやられます。まずは自分の飼い犬を賢い犬にしましょうよ。
 
JA・NEWS新聞 200611月号
「あなたの愛犬はアホなのですか」
なんでも ホンネ・コラム   
 
 散歩をしていると、犬を連れて散歩をしている人に何十人と
 出会います。立派な犬から雑種の犬、きれいにブラッシングして
 もらっている犬から、汚い身なりの犬など、飼い主の犬に対する
 愛情度が、それらの犬から漂ってきます。
 いつも思うことなのですが、何のために犬と散歩しているのかが
 理解できないのです。犬を散歩に連れて行くのか。自分が散歩したい
 から犬をお供に連れているのかが分かりません。
 もっとも理解しにくいのが、どうも脱糞させるために散歩に連れ
 出しているのではないかと思われる節があることです。
 もちろん、常識的な人は、万一の場合に備えてビニールの袋を
 持参し、犬が脱糞した場合は、拾い取っているようですが、中には
 そ知らぬ顔で歩き去っていく人も少なくありません。
 もう一つ気になる風景は、犬に引っ張られて散歩している人の
 多いことです。もちろん、中には小型犬を引きずって散歩している
 飼い主も見かけます。大型犬の場合には両手でリードを持ち、体重を
 後ろにかけて力を入れないと支えられないほど引っ張られている人も
 います。
 犬の散歩も重労働になっているようで、見ていて気の毒なほどです。
 ある日、大型犬に毎日引っ張られてしんどそうなご婦人に声をかけ
 ました。「あの・・済みませんが、そんなに引っ張られなくても、
 犬はちゃんと歩いてくれるものなのですが」と。
 すると、このご婦人は「この子はアホなんです」と言い、私をにらみつ
 けました。それから数ヵ月後に、たまりかねて、もう一度声をかけま
 した。私も世話好きですね。そしてリード(犬紐)を私に手渡して
 もらいました。私がリードを持ってわずか数分で、そのアホな犬は、
 とても利口な犬に様変わりしたのです。正直に言いますと、アホな犬は
 いないのです。はじめからアホな子供がいないように、しつけさえちゃん とできれば、ほとんどの犬は賢いものなのです。極論すれば、犬の飼い方 が下手な人は、子育ても下手だろうと思います。
 犬に服を着せたり、異常なまでの愛情を犬に注ぐ人は多いのに、
 犬から認められている人は少ないように思えてなりません。犬に認めて
 もらえる、これはとても大切なことです。犬とのコミュニケーションは、
 認めてもらえてはじめて成り立つからです。
 番犬と割り切っている人は、周囲の人に大変迷惑をかけています。
 なぜならばうるさく吠えるからです。このように考えると、犬との付き
 合い方も難しいものです。犬を飼うと、犬から教えられることがたくさん
 あります。
 犬から何かを学び取ったと感じられる人は、犬を飼う資格のある方だと
 思います。犬畜生だと考えている人は、犬を飼う資格のない人ではないで
 しょうか。
 毎日、散歩の度に、いろんな犬を見かけながら、犬の立場になって考えて しまいます。いつのまにか「我輩は犬である」の心境になってしまってい ます。
犬は、家族の中で、一人しかボスと認めません。誰がボスになれるか、
犬がそれを決めます。威張っているばかりでは、ボスと認めてもらえ
ません。餌をあげても、それだけではボスにはなれません。散歩をして
あげても、それだけでは「散歩係」です。
気分が変わりやすい人もボスとは認めてくれません。可愛がったり、叱っ たりを、その時の気分でやる人を犬はとても嫌います。
今日、すばらしい風景を見かけました。充分に手入れされた大型プードル 犬を中年の男性が連れて歩いていました。犬は飼い主の左側にぴったり寄 り添い、時折飼い主の顔を見上げながら歩き、男性は背筋を伸ばし、颯爽
散歩していました。絵になる風景でした。
パリの街角では、こんな風景に良く出会います。ミンクのコートを着た
ご婦人が犬と散歩している様は、一枚の絵葉書になるようです。同じ犬連
れの散歩でも、犬をどのように訓練してあるかで大きく変わります
わずか数分でその訓練ができることをご存知でしょうか。