中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「夫婦の約束」今も続いている

8年前に書いたものだから、掲載するにあたってもう一度読み返している。
そして、今もなお同じ考え方だと納得して転載している。
私たちも結婚して25年が経つ。喧嘩らしい?喧嘩というのは一度あったか
なかったか程度なので、記憶にない。
夫婦というのはお互いに譲り合って生きていくものだと思う。お互いに
認め合い、尊重しあっていれば大きな争いにはならない。そして何より
賢くなければならないのではないだろうか。
 
JAニュース紙 2004年4月号 掲載「夫婦の約束」
なんでも ホンネ・コラム 
 
 世の中にはさまざまな夫婦がいるものだ。
日本のテレビ番組史上最長を続けている「新婚さんいらっしゃい」を
観ていると、あまりに多様な夫婦がいることに驚く。傍目からは早
く別れたほうが幸せなのではないかとも思える夫婦もいるが本人た
ちは幸せだという。料理を一度も作らない奥さんがいるかと思うと、
お米のご飯は炊かないで朝から晩までパン食ばかりという奥さんが
いたりする。1ヶ月5千円で昼食と小遣いのやりくりしなければな
らない亭主もいる。
世に不思議なものは多いが、夫婦模様だってさまざまで「不思議」
に思えるカップルは数え切れないほど存在する。それでもうまく
いっている夫婦が多いのだから世はまさに不思議だ。暴力亭主が
いるかと思えば暴力女房もいる。
奥さんのほうが、はるかに背が高い「蚤の夫婦」もいれば、奥さん
の身長がご主人の胸までも届かないような長身差のある夫婦もいる。
痩せた人と太った人の組み合わせも意外と多いものだ。
世の中のカップルをよく観察していると動物園に行くよりも面白い
かもしれない。
 このように多様なカップルも、みんなそれぞれカップル同士で「協定」
 やら「申し合わせ」を持っていて夫婦の危機に対処しているのかもし
 れない。
 私たちは再婚同士で結ばれた。お互いに夫婦の難しさも心得ていたか
 ら初めての夜に私が「夫婦の約束」を申し出た。それは「万一、言い争
 うようなことがあっても、必ずその日のうちに解決して翌日に持ち越さ
 ないこと」ということだった。
 あまり言い争うこともなく、一年に一度か、二年一度ほど何かの弾み
 で私が大きな声を出すこともあるが、必ずその日のうちに収まるよう
 にしてきたので翌日まで引きずった事は一度もない。明らかに妻のほ
 うに落ち度があるときでも、私の方から「さっきはごめんね」というこ
 とで穏やかに収拾してきたものだ。
 
 パースに移住してきて、夫婦が別々の寝室で休んでいる人が多いとい
 うことを知ったので、二つ目の提案をした。「もし、どちらかが、別の
 部屋で夜を過ごしたいと思うようになったら、その時は離婚しよう」
 と言った。読者には賛否両論があろうが、私たちはこれに同意してこ
 れまでやってきている。
うるさい鼾を響かせ、一晩中寝返りを打つ度にベッドが揺れても、家内
は不平を言わないし、家内が隣で朝の5時まで明々とした電灯の下で読
書をしていても私は文句を言わないでお互いに約束を守っている。寒い
夜などは、お互いに布団を着せあったりして風邪を引かないように心を
通わせている。
 あの長嶋さんが脳血栓で倒れた。高齢になるといつどんなことが起こ
 るか分からない。
 隣で眠っている人を愛しく思えるのは若い時ばかりではない。老いて
 もなお、お互いに労わり合いながら、残された時間を大切に過ごした
 いものだと思っている。