中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

いじめ・無気力・無責任(2)

 このタイトルにぴったりの文章があった。
浅田次郎さん鉄道員(ぽっぽ屋)」で直木賞受賞100万部を超す大ヒット。
そして映画化など。多くの作品がある。の書いた、「つばさよつばさ」小学館文庫
の中にそれがあった。ここでは要約だけを紹介するが、是非内容を
詳しく読んでいただきたい。
 
 講演のため、ロスからサンフランシスコへと移動するために、空港に向かった。
空港では、厳しい荷物検査のために搭乗までに2時間も待たされた。
ようやく飛行機乗り込んだが、機体の点検のために2時間も待たされた。
アメリカ人乗客はだれも騒がないでおとなしくしていた。
 
 しかし、サンフランシスコ乗り継ぎで日本に帰国する乗客たちはざわざわ
し始めた。格安チケットで乗り継ぎしている人にとっては、気が気ではない。
  ところが、ついにその飛行機は欠航と言うことになった。
アメリカ人たちは、すぐさま別の手段を使って移動を試みる行動に出たが、
一人の日本人若者は、ベンチに座って茫然としている。見るに見かねて
声を掛けると「僕、どうしたらいいんでしょうか」と言う。彼は、何の行動も
おこそうとしないでいる。
 ベンチに座って携帯をいじっている。どうも友人に今の事態を伝えようと
しているらしい。「君、そんなことをしている場合じゃないんだよ」
「わかってますけど・・」と言って、じっとしている。
 見るに見かねて、航空会社と交渉してロスー成田直行便を確保して
上げた。乗り継ぎではなく直行便だから、彼にとってはものすごいありがたい
ことなのに、彼は礼も言わない。だれから助けてくれて当然だと思っている
らしいのだ。
 そしてまだ不安そうな顔をしている。隣にいた沖縄基地に向かうという
アメリカ兵が「私が彼を日本まで送り届けましょう」と言ってくれたが、それを
知っても彼は礼も言わない。
 その日本人とアメリカ兵は同年齢のようなのに、これほどまでに馬鹿な
若者が多くなったのかとあきれてしまう。
 自分が何もしなくても、親や社会がなんとかしてくれると言う結構な国に
生まれた若者は、自己責任と言うという言葉どころか、有難うの言葉さえ」忘れてしまったかのようだ。
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要約だから詳しくは、本を買って読んでいただきたい。
次回は「自己責任」について書こう。