中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

若者たちに、深く考える習慣の勧め

 物事を深く考えるということを習慣にするかしないかで、人生は大きく変わる。
意外と、日常的に物事を深く考える習慣を持った人が少ないように見受けられる。 
 表面的に考えるだけとか、人の尻馬に乗るとか、何でも反対的とかというのも
単なる軽率にすぎない。
 深く考えるためには、
やはりたくさんの本を読んで、多くのものごとを知ることではないだろうか。
底辺にある教養が浅いと、深く考えることも出来ないからだ。
 深く考えるということは、自分の無知を知り、少しでも無知からの脱却を図るという
ことにもつながる。
 中学校の同級生で、高校進学できなかった友人がいる。当時のことだから学力が
なくて進学が出来なかったのではなく、経済的に出来なかったのだ。
彼は、神戸の新開地の雑貨店(帽子も売っていた)に住み込み店員として働いていた。
 機会を得て、自立することになった。当時、その店に働いていた3人は、それぞれに
大出世したものだ。一人は(株)ワールドを設立し、二人は(株)オールスタイルを設立し
社長と専務になった。
 やがて専務だった同級生は東京に移り(株)ベルトリコを設立した。
 それぞれに、ファッションの世界では名の知れた会社になった。
この同級生の名は久加天進氏で、多くの後輩から「ニットの神様」とも呼ばれている。
彼は自分の姓についてこんな話を聞かせてくれたことがある。明治になって、だれもが
姓を付けることができるようになっとき、役所に「久賀」と書いたつもりだと思うと。
賀と言う字を略すと加の下に天と書く。役所の人が、略字を分らずに久加天にしてしまった
様なのだと。当時はこんな間違いが多く、いろんな苗字が生まれたかと思う。
 その彼が40歳のころ、久しぶりにあった私に「中原君、これからは、物事を深く考える
人が伸びてくると思うよ。実は先日、大銀行の頭取から教えられた話だけどね・・」と、
頭取の話を聞かせてくれた。さすが、大銀行の頭取の話だけあって、面白かった。
 それから、より深く考えることを習慣としている。そのために、猛烈に本を読んだ。
ハウツー本は読まない。マンガも読まない。小説なら誰のものでも読むが、司馬遼太郎
宮本輝山崎豊子、吉村明さんの作品はすべて読んでいる。司馬さんの歴史評論の本は
特に好きで、「街道をゆく」全巻、など200冊以上にもなるだろうか。
 ほかに堀田善衛さんや柳田邦夫さんの作品の多くも読んでいる。奥が深い作品ばかりで、
読んでいて味わいが深い。
 読む、考える、書く、それらは文化的な生活には欠かせないものなのだ。
今日という日を過ごすだけで精いっぱいな、若者たちでも、読書の時間はあるはずだ、
時間というものは作るものだからだ。もちろん、若者だけではない、誰もがもっと深く
学ばないと、日本という国は崩れ去ってしまうのではないだろうか。