中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「想定外」は言わないようにしてほしい

 倉敷のトンネル事故で、またしても「想定外」だったと工事会社
の責任者が言った。
 もういい加減にしてほしいと思う。海底にトンネルを掘るというのに
地盤調査もしていなかったなどと言うのは問題外であっても、事故は
想定外とは言えないはずだ。
 事故のたびに「想定外」発言が相次いでいるし、そのたびに私は
批判してきた。
 想定していないほうが「異常」なのだということをもっと自覚してほしい。
事故というものの、ほとんどすべてがミスが原因であることは、よく知ら
れている。ミスがなぜ起こるのかと言うと「手抜き」「うっかり」「油断」
が原因だ。
 事故は起こりうるものとの想定に立って計画をするのが工事担当者の
責務である。間違っても「想定外だった」などと言うべきじゃない。
 子供のころから怖い目にあったことがない世代の人たちが増えている。
私の子供のころは、戦争という日常的に怖い目にあってきた。空から
爆弾や焼夷弾が落ちてくる。それこそ、かつてだれもが経験したことの
ない「想定外」の事態だった。
 東日本大震災で亡くなった方々の数は2万人弱だが、東京の爆撃では
一晩で10万人が亡くなったと言うより殺された。それがどれほど過酷な
ものだったか想像できるだろう。私は大阪で空襲を受けた。周囲がすべて
焼かれ炎に包まれる中を逃げた。想定外の恐ろしさだが、人々は「想定外」
などと言って逃げることはなく、強く立ち向かっていった。
 何でも人の責任。事故があったら「想定外」会社のトップが並んで
「申し訳ありませんでした」とテレビカメラの前で頭を下げる見苦しい姿は
もう見飽きてしまった。
 謝ってすんだら警察いらん・・これは名言だ。謝らなくてもいいように、日々
心して仕事をしてもらいたい。それが仕事というもんだと思う。