中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

私流生き方(92)

(92)
各中学校校長にあてた文章の続き(2)
 
新たに学校を設立する時の諸条件の煩雑さと、莫大な費用
(私立高校の設立には百億円前後の資金が必要)を考えると、
あきらめざるを得ないでしょう。
一個人がどんなに彼らの将来を心配し、彼らの置かれている
立場に同情しても、莫大な資金を用意できない以上は、学校
設立は夢のまた夢にすぎません。
無業者と呼ばれる彼らを無視して放置しておくことが将来の
日本にどれだけ悪影響を及ぼすか、どれだけ日本にとって大
きな損失になることかを知っていても、手も足も出せないこ
とでした。
落ちこぼされた6%という数字がどんなに大きい数字なのか、
誰ひとりとして認識していないのかと思うほど、人々はこの
問題に無頓着です。
国も都道府県も積極的な手段をとりませんでした。民間の大手
会社もこんな問題いには興味を持たないでしょう。
私は初年度から、数千万円の赤字を覚悟し、一九八八年をピーク
として生徒数が激滅し経営が困難をきたすことを当初から承知の
うえで、開校に踏み切りました。
将来に見通しのない事業だからといって、彼らの暗いニュースが
新聞をにぎわすことに耐えられなかったのです。私をそのような
思いにしたのは、私も高校へ進学させてもらえなかったからで
しょうか。
生徒を力ずくで押さえ込むのではなく、卒業してから、自分の
力で考え、判断できる人間づくりを心がけていきたいと考えて
います。
知識の詰め込みに重点を置かず知恵を働かせることに重点を置いた
教育、ソフトウエアが作れる柔軟な能力を身につけるような教育を
と考えています。
私たちは、どこまでも生徒の側に立って、その人権を侵すことなく
、対話しながら、彼らの成長を見守っていく。世間の評判を気に
するあまり、性急な処置をとることなく、彼らの持っている可能性
を信じ続けることが教育だと信じています。
彼らの可能性を信じ、愛し、育くみ、生徒から学ぶ姿勢を忘れる
ことなく、どこまでも謙虚に、真摯に教育に取り組んでいきたいと
思っておりますので、何卒ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い
申し上げますとともに、当校にご理解を賜りますよう宜しくお願い
申し上げます。