中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

私流生き方(113)

(113)
長田校のこと
 
この年に、250名の新入生が入ってきました。私は、この年の
経験を踏まえて、その翌年には120名、その後は160名程度
しか新入生をとらないようにしました。
250名の生徒の中に明らかに障害を持つ生徒が数十名入っていま
した。
その中の情緒障害が顕著な生徒25名を、開校時から使っている
長田教室に入れることにしました。彼らは養護施設と高校の狭間に
あって、現在も受け入れ施設がありません。
しかし、情緒の安定していない彼らを他の生徒と一緒に教育すると
いうことは、不可能なことは言うまでもありません。情緒が安定し
ていない点では、他の生徒も多かれ少なかれ同じことなのですが、
その度合いが違いますし、彼らを大きく包み込める情緒の安定して
る生徒が新校舎に入る生徒の中にほとんどいないということもその
理由でした。
開校時からの教室のことを、この年から長田校と呼ぶことにしました。
この長田校のチーフを、初年度から在籍し工学博士の肩書きを持つ
山下先生にやってもらうことにしました。そして、障害児教育に多
年の経験があり、深い造詣を持っておられる藤井先生も長田校に配
属しました。
NHKの報道の直後、ご子息が軽い障害を持っているために進学が
難しいと相談に来られ、その後たびたび話し合う機会のあった中井
さんが、高校の教員免許を持っていることを知り、長田校の先生に
なってもらいました。ご子息は、新校舎の方に入学しました。
この年に山下先生をチーフにしたことは、長田校の足固めとして成功
でした。その翌年からは藤井先生を主任に、中井先生をサブにして、
着実な働きをしています。
この長田校が存在することだけで経営上は赤字なのですが、福祉事
業としても、障害児教育の面からも、社会に大きく貢献しているこ
とを自負しております。平成二年現在、長田校の在籍生徒数四十三
名、職員数六名ですが、このような学校が今後ますます必要になって
くることでしょう。そのとき、長田校__の実績と経験は、きっとこの
分野の方たちのお役に立つことだろうと思います。