中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

私流生き方(135)子育て編

(135)「しつけ」その4
 
 最近、新聞に、自信がなくなったからと辞職していく先生や、自殺
した先生の記事がでておりましたが、このように中学校の先生の自身
を失わせ追いつめてしまう生徒は、ほとんどが小学校三、四年生から
の学習不振児である場合が多いのです。
学習不振児と書きましたが、学習が遅れている原因は多様であって、
ひと口では言えません。病弱で学校を休むことが多くて学習が遅れて
いる場合や、自閉症などの情緒障害が原因で学習が遅れている場合、
精神遅滞があって学習が遅れている場合、脳に顕著な異常があっての
低能力児の場合など、さまざまな原因があって学習が遅れるのです。
 しかし、はっきりした原因が分からないのに学習が遅れる生徒がい
ます。例えば起立性調節障害などです。このような場合が、最も親や
先生を困惑させます。はっきりした原因もなく、能力も高いのに勉強
ができないというか、学習が困難で遅れてしまうのです。
しかし、学習不振児で最も多いのはL・D(学習障害)です。このタ
イプの子どもは行動面で、いくつかの気になる要素がみとめられます。
この本は、そうした問題についての専門書ではありませんので、ほんの
少しだけ触れるようにいたします。
幼児期からの子どもの行動の中で、
(一)落ち着きがなく、じっとしていられず、動き回ることが多かった。
(二)集中力に欠けていて、周りの音や、光や、刺激に反応しやすかった。
(三)一つのもの(乗り物など)に、こだわったり、あるいは一人で黙々と遊ぶことが多かった。
(四)危機予知能力に欠けているのかと思うような(どうしてこんな危ないことをするのだろうと驚くような)行動をすることがあった。
(五)自分勝手な行動が多く、友だちが作りにくかった。
(六)なわとび、跳び箱、鉄棒などが不得手。
(七)作文の能力が同年の子どもに比べて不得手。
(八)よくできる教科と、できない教科の差がはげしい。
(九)計算能力はあるが、文章問題は苦手。
(十)歩き始めるのが遅かったり、話し始めるのが遅かった。
(十一)左右の概念や数の概念が遅れている。
(上野一彦著『学習障害児の相談』有斐閣から参考引用)