消費税率アップを積極的に前面に打ち出した首相は野田総理が
初めてではないだろうか。これまで言ってはみたけれど・・・すぐに
取りやめた首相ばかりだっただけに目新しい感じがしないでもない。
「消費税率アップを言うと選挙に負ける」ということは、だれもが知っている。
それを承知で野田さんは前面に強く打ち出して『勝負』をかけているように
見える。
何が野田さんを強気にしているのか。
経済界は反発するわけがない。だから自民党も強い反対はできないだろう。
民主党内の反発も『総選挙』に突入することを恐れるがゆえに、強い反対
は起こらないだろう・・という読みがあるのだと思う。
何よりも、これらの関連法案が通らないような事態になった場合は『解散』
も視野に入れていると思うが、何よりも政界再編を狙っているのではないかと
思われる。
党内に小沢一派がいて統一がとれない。それなら自民党の一派と手を
つないだ方がやりやすい。消費税率アップを勝ち取ることで、再編後の
リーダシップも取れると踏んでいるのではないか。
なかなかしたたかな感じがする野田さんである。その野田さんをうまく
フォローする人たちがいるかどうかで今後の行方が決まるだろう。
どちらにしろ、次の総選挙の前後に政界が大きく動くことは間違いない。
消費税を上げてほしくないのは庶民として当然だけど、上げないと日本と
言う国が持たないというのも現実である。嫌でも上げざるを得ないのが
日本の経済の実情なのだ。
そう思うと、思いきった姿勢を貫いている野田さんは偉いのか、計算が
高いのか・・それは、歴史が証明してくれると、野田さんは思っているに違いない。
