菅首相の退陣までに、ぜひ言っておいてもらいたかったことがあった。
それは「脱原発」だ。
菅首相がこれを言うには二つの意味があると思う。
一つは、日本国として、将来のエネルギー計画をどう考えるのかと
いう決意を表明することだ。
もう一つは、菅首相にしか言えないと言うことである。
引退が決まっているから、開き直って言えたという見方もあるが、
菅さんだからこそ言えたと私は評価している。
菅さんの脱原発発言を批判する人たちは、国民への迎合主義だと
いう。もっと詳しい脱原発計画を同時に述べるべきではないかとも言う。
結果的に迎合主義であってもよい。世界ではなく、日本の近代史では
ほとんどが迎合主義ではなかったか。それが戦争に巻き込まれた原因
ともなった。だから、いまさら迎合主義が悪いと言うのなら、近代における
政治を一緒に批判しなければ、たんなる「菅叩き」にすぎないではないか。
今この時期に、日本は脱原発を目指すべきだと一国の首相が表明した
と言うことは、とても大きな意味がある。
原発をどうするのか、辞めるのか、依存するのか・・それをはっきり
させなければ、国のエネルギー政策は決まらない。
日本のような、危険地帯に原発を載せていて、絶対安全、心配いらない
とどんなに言われても、信用できるものではない。
国が巨大会社が「絶対安全」といって、安全だったためしがないからでも
ある。今の段階で、脱原発のスケジュールを示せと言うのは、バカの言うことだ。
マスコミと言えども、そんな論陣をはる論説者は、あまりにも性急すぎて
話しにならない。
まずは、方向性を決めて、それに向かって段階的に廃炉して行くことに
今後10年ぐらいまでに、全部を廃炉に持って行くためのスケジュールを
今後速やかに練り上げて行ってほしいものである。