拝啓 菅直人首相様
ゆっくりお休みになることもできなかったのではないかと案じており
ます。そしてまた、大変なご苦労に対して感謝いたしております
一連の予期せぬ大問題発生に、諸問題解決への手順がずれたり、遅れ
たりしたことも多々あるのではないかとお察し申し上げます。菅首相の
対応は遅い、間違っていると多く批判されておられる方々が、実際には
どこまでやれたのか大いに疑わしいところですが、首相ともなれば批判、
非難されるのは仕方がないことかもしれません。
ただでさえ、ねじれ国会で頭を痛められ、退陣を迫られ、いつ退陣かとささやかれている中での大問題発生でした。
首相はこれらの大問題に正面から真摯に立ち向かわれたと信じております。まさか、これらの大問題を政権延命に利用なさろうなどとはお考えではないでしょう。
原発事故の対処にも、様々なミスが指摘されております。時系列的にも問題点が見られます。斑目委員長が言ったとか言わないとかの問題も、あの日本国をなくすかも知れないという過度の緊張の中では、少々の聴き間違いがあったかもしれません。すべては予期せぬ問題が大きすぎたからでしょう。通常の国会を乗り切るだけでも精いっぱいでしたでしょうから、これほどの難題を突き付けられては、多くの「自信家政治家」も上手くやれたかどうかわかりません。でも、あなたは、期待ほどではありませんが、よく頑張られました。何よりも、浜岡原発の運転停止要請は最高の政治決断でしたし、結果的に原発を止めることが出来ました。
正直に申します。あなたの役割はこの地震大国から国を滅ぼしかねない原発をなくすために最後の力を振り絞ることです。そのための道筋をつけることです。政権の延命など一切考えないで、国民のためにこそ最後の力を使うべきです。政権延命を考えた時、あなたは永遠に忘れられる首相になるでしょう。
どの政党でも個人でもいいですから、国民のためになる人たちと、よく話し合い、正しい選択をして下さい。国の復興のために最高の組織作りを
して下さい。
国民や国のことを考えた決断により、歴史に残る首相になって下さるよう、伏してお願い申し上げます。
2011.5.23
敬具
