中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

想い出(3)小学4,5年生だったころ。

学校での想い出は(2)に書いたが、家庭での日常も書いておきたい。
朝一番の仕事は、(1)で書いたように、草刈りと牛の餌作りだった。
学校から帰宅すると「仕事」が待ち受けている。
仕事は季節によって違う。
順を追って書いてみよう。
1月は、比較的楽だった。秋に植えた麦の手入れが主だった。
麦の畝の側面に雑草が生えてくる、それを鍬で薄く削り取って、
土と共に畝に戻す作業だ。こう書いてもやったことのない人には
理解できないだろうが、薄暮になるまでこの作業を続ける。
2月もほぼ同じ作業だった。1,2月は寒い時期なので、風の
強い日などは相当に辛い。
ジャガイモの収穫もこのころだったように記憶している。
3月4月は、一年を通して最も楽な時期で、麦が大きくなり穂が
淡い緑いろで輝やき、やがて黄金色へと変化していったものだ。
5月は農作業としては、年間を通じて最も嫌な季節だった。
麦を刈り、乾燥したところで束にして担いで家まで持ち帰る。
この作業も大変だ。小学生で未だ背が高くない。担いだ麦の
穂の部分が地面に着きそうになるほどだった。
家に持ち帰ってからが大変で、麦の穂を道具を使って引きちぎる
作業をする。麦の穂には「イガ」があって身体中がかゆくなるので
辛い。
集めた麦の穂は、機械で麦だけを取り出し、麦の茎の部分は
束にして、天井裏に積んでおく。風呂炊き燃料として使うため
にである。天井裏に積んだ麦藁には「ムカデ」がよく発生し、
時折、天井の板の隙間からムカデがどさっと落ちてくるのに
閉口したものだ。
(4)に続く