今じゃ麦が作られなくなったので、(麦わら梅雨)なんて知ってる人はいないかも。
私の子ども頃(知っているのは淡路島の祖父母に6歳で引き取られてから15歳まで)には、稲の採り入れが終わったら麦を植えていました。
殆どは(裸麦)で、自家用に(小麦)を少し作っていました。
稲と違って麦の収穫は、とても面倒で嫌いでした。
稲の場合は田んぼで乾かして、田んぼで脱穀して、藁は田んぼに矢倉のように積んで置くのですが、
麦の場合は、刈り取ったあと、乾いてからすべてを家まで運び込み、家の土間などで穂をちぎり取る作業をします。
大きな金串の形をした道具に麦一握りを叩きつけるようにして挿入してから藁を引っ張って麦の穂をちぎり取るのです。
こんな表現で想像して頂けたでしょうか。
麦わらは、我が家の場合は全て屋根裏に上げて置いて、日々の風呂炊きの燃料としていました。
麦の穂には(イガイガ)があり、作業中に飛び散ったイガが体を痒くします。
私にとってはアレルギー源だったのでしょうか、
皮膚病に悩まされました。
話を戻します。
麦を刈り取って、田んぼで乾かしている時期に、4~5日も雨が続くと、麦が駄目になってしまいます。
何年かに一度の割合でこういう気象になり、祖父が
「こういうのを麦わら梅雨というのだ。5月はお天気の日が多いが、時々は麦わら梅雨になる」と。
来週の木曜日から4日間雨が続くようで、祖父の言葉を思い出しました。
今では誰も麦を食べませんが、当時は米に混ぜて炊いていたのです。
最後まで読んでくださった方にイイ話もしましょう。
「麦わらタコ」という言葉もあります。5月のタコは美味いのですよ。