アメリカのバイデン大統領が呼びかけている民主主義国家会議の意図が解りづらい。
どの国が民主主義国家なのかもアメリカが決めているようだ。
中国を意図的に批判する目的と、中間選挙に向けての人気取りかとは思うが、なぜそんな事をして国際間に軋轢を生じさせるのか、私には分からない。
20世紀末に、21世紀に残したい著作者は誰かと言うようなことが言われ、政界、財界、文化界共に「司馬遼太郎さん」が選ばれた。
私は30歳ごろになって、一回り年上の司馬さんを知った。それまでは読書する時間さえなかったからです。
遅まきながらに司馬さんの著作を読み、感動を受け、その後は、今に至るまで全ての著作を読みましたし、現在も同じ本を何度も読み返しては、新たな発見をしています。
司馬さんの書かれた事で、意外に思ったことは、毛沢東氏の文化大革命を大きく評価している事でした。
私の記憶では、文化大革命を評価している記事など他に知りません。
新聞や週刊誌、TVのニュースなどでも酷評しか読んだことがなかったのです。
司馬さんは、中国が世界の最先端国であったにも関わらず、どうして2千年間も国力を落とし続けたのか。
それは儒教が原因であると。韓国も儒教の大きな影響を受けて近代化が遅れたのです。
中国は革命する以外に救いようがないほどに退廃していました。
共産党革命という形をとって中国の革命が成功したのですが、2千年間も続いた儒教の影響は革命だけでは変えることが出来ないことに気付いた毛沢東氏が、敢えて文化大革命を決行することで、儒教に凝り固まった国民の意識を変えようとしたものだと、司馬さんは見ています。
なるほどと思えること多々あり納得です。
新中国の問題点も多く指摘されていますが、それでも、中国革命の意義について面白いことが書いてありました。
司馬さんが書かれた時代の中国の人口は7億だったようですが、「一日3食として、今の中国は、一日に21億食も国民に食べさせられる国になった。想像するだけで凄いことだ」と。
今の人口は、14億4500万人(もう少し多いでしょう)ですから、一日44億食も食べさせられる国だと言うことです。
世界のすべての国の中で、どの国が一日44億食も食べさせられるでしょうか。
未だ民主主義国家と言うには早いかも知れませんが、百年前の中国と比べて遥かに豊かになり、世界のトップを競う国に仕立て上げた事実は知っておきましょう。
巨大な龍が暴れないように願うばかりですね。