中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

ワクチンに期待と関心のある人に (3)

  (2)からの続きです。

 中国は新型コロナウイルスの初期に世界に情報を発信しなかったとして、

世界各国から非難を浴びています。アメリカのトランプ大統領などは、自国の

対応の遅れの責任まですべてを中国に押しつけるように非難しています。

中国は、情報は充分に出していると反論しながらも反省があるのでしょう。

その反省の表れとして「マスク外交」を展開しましたが、マスク外交程度では

中国への非難の声は収まりません。 ですから、中国はワクチンをアメリ

より早く作って後進国などに配布し名誉挽回につとめたいのだと思われます。

 ところがです、ここからが難しいものなのです。 中国のワクチン研究は

かなり進んでいると見受けられるのですが、ワクチンを作る設備がありません。

どこでワクチンを作るのか??です。 アメリカには頼れそうもありません。

通信技術などでは世界最高峰の技術を持っている中国ですが、医薬産業では

後進国です。 医薬産業の中にあっても、ワクチン製造はより一層高いレベル

でなくては作れません。 そこで、UAEとカナダに最終治験の場を求め、その後の

製造まで行おうとしているというわけです。 UAEもカナダもワクチンの開発の成功後、

現地で生産することに同意しています。 もちろん中国も他国に頼ってだけでは

数量に限りがあります。 自国だけでも13億人もいる国ですから、後進国への

支援を考えればかなりの数量を確保しなければならない。

 北京の研究所は4月に生産設備をつくり、ワクチンの年間生産能力として1億

2千万個を確保したとごうごしたと言っているが、それほど容易い問題ではない

でしょう。 武漢の研究所も年産能力1億個をめざして工場の建設を進めている

ようですが・・どこまで信用できる情報でしょか?

 ワクチンの臨床試験は第1から第3段階まであり、第3臨床試験まで終えると実用化が

見えてくる。  中国は「不活化ワクチン」「組み換えウイルスベクターワクチン」「弱毒イン

フルエンザウイルスベクターワクチン」「アデノウイルスベクターワクチン」「核酸ワクチン」

など5本のテクノロジーロードマップで研究開発を行っている。現在は4種の不活化ワ

クチンと1種のアデノウイルスベクターワクチンを一定の数量規模で臨床試験を行って

おり、研究開発の進展度は総体的に海外と同様、一部のロードマップでは先頭を走って

いると自負しているようです。

 米のジョンソン・エンド・ジョンソンは、開発中のワクチン「Ad26.COV2-S」のP1/2a試験

について、9月の当初予定を前倒しして7月後半に開始する予定だと発表しています。

サノフィとグラクソ・スミスクラインは、共同開発中のワクチンについて今年後半にP1試験

を開始し、来年後半に開発を完了させることを目指しています。

両社のワクチンは、サノフィの組み換えDNA技術に基づくSタンパク質抗原とGSKのアジュ

バントを組み合わせたもの。サノフィは米トランスレート・バイオともmRNAワクチンの開発

で提携しており、GSKも抗ウイルス抗の開発で提携するビル・バイオテクノロジーズとワク

チン開発でも協力しています。