中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

ジェット気流に乗って新記録が生まれた話

 ニューヨークからロンドンまで普通の飛行時間は6時間50分と

いうのが平均値だそうです。ところが、2月8日にニューヨーク・

JFK空港を出発し、ロンドン・ヒースロー空港に9日に到着した

ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)112便はなんと、4時間56分で

飛んでしまったのです。  それまでの最短飛行時間の記録は、

2018年1月にノルウェー・エアシャトルが打ち立てた5時間13分

でした。 しかも、112便だけではなく、その後に同空港を

出発したヴァージン・アトランティック航空4便は4時間57分、

そして同じくヴァージン・アトランティック航空の46便は4時間

49分と、ともに5時間を切るという記録を残しました。

なぜでしょうか??

 日本から北米に旅行するとき、行きは帰りよりも飛行時間が短い

ことはよく知られています。上空には「ジェット気流」という強い

西風が吹いていて、行きの飛行機は気流に乗って、帰りは逆らって

飛ぶため時間が変わるのです。 またジェット気流は一般的に冬の方が

速くなるので、冬の方が夏よりも短時間で北米に着きます。

このジェット気流のおかげで、大西洋横断路線における航空時間の

記録が打ち立てられたというわけです。

 イギリス気象局発表の9日0時の地上天気図では、低気圧「シアラ」が

イギリスに接近しています。この記録の背景には、強いジェット気流

低気圧の影響がありました。

当時、この時期としても珍しい強いジェット気流が大西洋上を吹いて

おり、同時に発達中の低気圧「シアラ」が大西洋を横断していました。

この低気圧、実は先週アメリカ東部に竜巻や大雪をもたらし、死者を

出すなど大きな被害を出しています。

BA112便はこれらによる追い風の影響で、一時、対地速度が時速1,327

キロにまで達したそうです。 反対に、ジェット気流に逆らって飛ぶ

こととなったロンドン発ニューヨーク便は、約2時間半も余分に時間が

かかってしまったとのことです。

ジェット気流を発見したのは日本人なのです

このようにジェット気流は、航空機の飛行速度を左右します。その名前は

この気流がジェット機のエンジンから出される高速な空気の流れに似て

いることに由来します。 このジェット気流を世界で最初に発見したのは

日本人です。本によってはアメリカ人パイロットと書かれているものも

ありますが、実際は元高層気象台長の大石和三郎氏でした。しかし当時

、日本がまだ科学の先進国でなかったこと、また論文がエスペラント語

書かれていたことなどから、海外の科学者の目に留まらず、日の目を見る

ことがなかったのですが、今日では、大石氏が最初の発見者として世界

でも認識されるようになっているようです。