中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

フィギュアースケートにみる技術向上と審査法

 2019年のフィギュアスケートもグランプリシリーズの

第5戦までを終えて、NHK杯でグランプリシリーズが終えて

ファイナル大会の出場者が決定する。 なんとも言えない

シーズンとなった。手放しで喜べないし大きな期待も持てなく

なってこれでいいのか?という気分でいる。

 とにかく、この10年で、この世界は変わり過ぎた。恐ろしい

ほどに変化があった。荒川静香さんが金メダルを獲った時の演技と

今の選手たちのものとは比較のしようがない。100年も経たの

かと思わせるほどに変わってきた。

 キム・ヨナ浅田真央さんがライバルだった当時、ロシア勢で

強い選手はいなかった。当時、わがやで話し合っていたことがある。

バレエダンスの盛んなロシアがどうしてフギュアスケートにいい

選手を出していないのだろうかと。いまにロシア勢がバ~ンとでて

くるんだろうね・・と。 韓国のキム・ヨナは強かったが、彼女は

3回転以上は飛ばなかった。浅田真央は、3回転半(トリプルアク

セル)を飛んでいた。カナダ・バンくーば五輪でトリプルアクセル

を3度も成功させたのに、キミ・ヨナに金メダルを奪われ表彰台の

上で泣いていた。 当時はトリプルアクセルへの評価が低く、ポイ

ント加算もなかった。それがきっかけともなり、ジャンプのポイント

見直しが討議され、トリプルアクセルのポイントが大きくなり、

4回転のポイントはさらに加算されるようにもなった。また、演技

後半の疲れている時点においてのジャンプには加算されるようにも

なった。いうならば、ポイント計算の考え方、加算のあり方などが

大きく変更されたのだ。その代りに回転不足などが厳しく審査される

ことになった。今の時代なんでもすぐにビデオ再生ができるから、

チェックが厳しくなっている。

 宮原選手などは浅田真央さんの後をついでトリプルアクセルを積極

的に取り入れたこともあり、時代の潮流に乗ることが出来た。やがて、

ロシアはトクタミシュエワ選手、メドベージュワ選手などが出てきて

あっという間に世界のトップに躍り出てきた。メドベージュワ選手

などは当分の間、王座を守れるのではと思ったりしたが、すぐに

ザギトワ選手が現われて、あれよあれよという間にザギトワ時代に

なった。アキタイヌを飼い、日本人にも好かれるザキトワだが、

昨年のファイナル優勝のわずか3か月後には、もう次の世代に

とってかわられていたのだから恐ろしい。15歳16歳の3選手

が4回転を武器に登場してあっという間にヨーロッパ選手権

表彰台を独占してしまったのだ。トルソワのイナバウワーなどは、

荒川のやったものとはかなり違う。逆U字になるほど反り返り、

両手が氷についているほど凄い。

トルソワ、シェルバコバ、コストルナヤの3選手はファイナルに

向けて着々とポイントを重ねている。ファイナルの常連だった宮原

がファイナルに出られるかどうか危うい。紀平は安定したトリプル

アクセルを連発すればファイナルにも行けるだろうし、ファイナル

でも表彰台を狙えるかもしれない。 しかし、ロシアの少女たちの

4回転を3度も4度も飛ぶのを目の当たりにして、自信を失って

しまっては、自分の持っている力を発揮できない。 

紀平は来シーズンには4回転をと考えているようだが、今年は

しっかり腰を据えて、トリプルアクセルで勝負してほしいものだと

思っている。

 男性の場合は、羽生選手とチェン選手の一騎打ちとなるだろう。