何事も、経験から学ぶことが多いが、今回の台風19号による
豪雨と河川の決壊の原因追究と、その学びから速やかな対策が
求められる。今回の河川の堤防決壊の8割が支流と本流がぶつかる
地点で80%も発生していたという現実には唖然とする。
なぜならば、そういうことは当然なことであり、予想内のことだと
思うからだ。支流が太いと本流にぶつかった先にダメージを与える
のは当然だ。 支流が細いと本流から戻ってきた水圧で支流側に
決壊が起こりやすい。 そんなことは、これまでに学者から指摘されて
いたのではないかとおもう。その上で、危険個所のチェックを行って
きたのではないだろうか・・と思っていた。 しかし、19号による
被害を総括してみれば、そんなチェックがあったようには思えない。
日本の場合は国土が狭く、山に降った雨が急激に下流へ走ることから
短時間で被害が起こりやすい。 そういうことを承知のうえで書くが、
世界一運河が多い、長い中国では、水と水がぶつかる地点に多くの工夫
が凝らされていると、どこかで読んだ記憶がある。 いまでは、それが
人工的に施されたものと気付かれないほどに巧妙だと読んだ記憶がある。
なにしろ中国は隋代の煬帝(ようだい)の時、大運河をめぐらしたという
土木大国である。煬帝と言うのは日本で言えば聖徳太子と全く同時代だ。
すでにその頃から、土木大国であったのだ。空海は四国において多くの
土木工事を行っているが、おそらく中国で土木学を学んで来たのでは
ないかとも言われている。 水がなければ生きては行けないが、水は
扱いを誤るとおそろ紙い目に遭う。たぶん、水の流れ、水の癖(癖と
言うものがとても大事なのだ)深度や角度などによって、水は意外な
面を見せるものだ。今後はそういう基本的なことも踏まえての、研究を
進め可及的速やかに対策を取るべきだろう。
「防災上」立ち退きが必要な地域が出てくる可能性もあるのではないかとも
思っている。
台風19号の大雨で堤防が決壊した140カ所(71河川)のうち、8割にあたる112カ所(62河川)が、支流と本流の合流点から約1キロの範囲だったことが、朝日新聞のまとめでわかった。専門家は「合流点近くに住む人は、浸水が起きやすいことを自覚しておくべきだ」と指摘している。
朝日新聞は、国土交通省と河川決壊があった宮城、福島、栃木、茨城、埼玉、長野、新潟の7県が発表した資料や担当者への取材で、台風19号で決壊した71河川の堤防140カ所の具体的な地点を特定。川幅などの小さな川(支流)が大きな川(本流)に合流する地点と、その決壊箇所の関係を調べた。
それによると、合流点から約1キロの範囲で支流の堤防が決壊していたのは、35カ所(28河川)だった。
河川氾濫(はんらん)のメカニズムに詳しい早稲田大の関根正人教授(河川工学)によると、河川のなだらかさや橋が近くにあるかなどによって変わるが、合流点から約1キロ以内の決壊であれば、多くで「バックウォーター現象」が起きた可能性があるという。
この現象では、増水した本流の…