中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

がん検診の一つの事実

書きたい内容はたくさんあるのですが、長くなると読んでいただけないかもと思い、
簡単にまとめて書いておきたいと思います。
因みに、私は10年間電話がん相談を続けてきましたので、これまでかなり多くの
がん相談を受けてきました。(たぶん200件近く、各部位のがん相談を)
 今日書きますのは「胃がん」の検診の話です。
毎年のように胃カメラ、大腸カメラの検診を受けてきた方で、3年前には胃のピロリ菌
除去も受けていたようです。
今年も胃カメラ検査を受けたところ「未分化胃がん」との告知を受け、A大学病院消化器
内科に紹介されました。
A大学病院消化器内科では、「問題ありません、内視鏡で採れるものです」とのことで
患者さんは安心されました。
実際に胃がんを告知されても内視鏡で採れるものは少なくないのです。
この患者さんは内視鏡での「患部」除去ができると思っていました。
この時点で私が介入してしまいました。
「未分化胃がん」と告知されたのに、どうして内視鏡で採れるの??と疑問を抱いた
からです。
私たちの「日本がん楽会」を支援してくださっている師たちの中に、優秀な病理医の先生が
居られます。何度もご無理をお願いしたことがあるのですが、この場合にも「未分化がん」
と決めることになった「組織標本」を先生にも確認していただけるでしょうか? と、お願い
しました。 先生は即座に気持ちよく引き受けてくださいました。この先生を仮にC先生と
しておきましょう。
A大学消化器内科には私も同席させていただいたのですが、その際に「病理標本」を御貸し
いただけますか」と医師に聴きますと、ここにはありません、たぶん紹介してくださったB先生が
保管されているのではないでしょうか」ということでした。
患者さんに、「B先生にお願いして病理標本」を病理医のC先生に送っていただけるよう、お願い
してほしい」と申し上げました。
患者さんはB先生に、その旨をお願いしたとたんに烈火のごとくに怒り「私の診断を信じられない
ってことか!!」と。患者さんは、恐ろしくなってい願いするのをやめてしました、
 このことをC先生に私が報告しました。 C先生は、A大学病院病理科部長に直接メールを
送ってくださり、この患者の診断を今一度やってほしいと伝えてくださいました。
 内視鏡で「胃がん」の除去をした際の組織を病理検査したところ「未分化胃がん」であり、
次の層に達していることが判明したのでした。
結果として、A大学病院消化器外科で胃の3分の2を撤去する手術を受け、予後もよく、発見が
早かったので、今のところ転移の心配のないだろうということです。
 結果から見ると、Bクリニックでの「未分化胃がん」の告知が正しかったことになります。
B医師は、この組織を関東の検査機関に送って診断を受けたようです。
一般的に、中程度の病院、医院、クリニックなどで胃カメラ、大腸カメラでの検診を受けても
組織検査は外注します。その外注先の機関にはアルバイト的な病理医も少なくなく、ここで
誤診も起こりえます。病理検査にはかなりの熟練が必要で、最低は5年以上の経験が求められ
ます。前立腺がんなどは「判定」が難しく「誤診」も少なくないようです。
 この患者さんの場合で考えると、結果オーラいでしたが、どうしてB先生が怒ったのかが理解
できません。気持ちよく患者の申し出に応えてくださっていれば「名医」でしたのに。
A大学消化器内科の医師の判断は軽すぎます。危うく、内視鏡で患部を取ってそれでおしまい
だったかもしれません。
未分化がんの場合、転移が早いので、もし内視鏡だけだったら・・・数年後に取り返しのつかない
ことになっていた可能性があります。
 この患者さんの例では、A大学病院の消化器内科に問題を感じました。
こういう場合もあるという・・・一つの例としてお考えください。
 がん相談電話は(無料です) 078-771-2711 夜7時~9時
以前は正午から深夜までとしていましたが、高齢で時間を短くしましたご了解ください。