中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

医療不信を考える(11) 医師はもっと謙虚になれ

 前回紹介した話を覚えていますか?
 かかりつけ医に「未分化の胃がん」だと診断されて
 手術のために大学病院を紹介された。
 大学病院では、内視鏡の専門医が胃の細胞を採取し、
 病理医から、未分化がんではないので、胃カメラ
 とってしまえるほどのものだと説明を受けた。
  この場合、いろんな考え方があると思う。
 かかりつけ医の「診断」より、大学病院の「診断」の方が
 正しいのではないかと、信じてしまってもいいのかもしれない。
 しかし、かかりつけ医の診断と言えども、かかりつけ医が
 病理診断したわけではなく、プレパラートを専門の病理医に
 送って診断してもらい、その結果を踏まえて「未分化がん」だと
 診断したものだ。
 だから、大学病院の診断が正しくて、かかりつけ医が依頼した
 病理診断が誤りだと、簡単に断定できない。
 私はこれまで、何度もそういう経験をしているので、友達の
 ことなのだが、このままでは納得いかないのでは?と、友人に
 病理のセカンドオピニオンをお願いしてはどうかと、アドバイス
 したという次第だった。
 ところが、かかりつけ医のT医師が、いきなり「私の診断が間違って
 いるというのか。どこからそんなことが言えるのか!!」と、怒鳴られて
 患者は、すごすごと引き下がらざるを得なかったという話なのだ。
 「どこからそういう話になったのだ」と、言われたというので、その日に
 わたしから事情を説明すべくT医師に電話をした。受付の方が
 取り次いでくださったが、T医師は電話口には出てこなかった。
 私の電話番号もお伝えしたが、もちろん、かかっても来なかった。
 T医師のばあい、彼が診断した根拠は、病理診断を依頼したという
 東京の病理医の判断に基づいての「診断」だったはずだ。
 大学病院の診断と大きく(未分化か、そうでないかの違いは大きい)
 違っているのだから、T医師だって、どうして違うのだと不審に思うのが
 当然だと、私は思っている。 それなのに、セカンドオピニオン
 怒鳴ることで拒否するなんて、信じられないほどの愚挙である。
 あるいは・・・本当に東京の病理医に細胞診をやってもらっていない
 のではないかとまで、疑わざるを得ない。
 患者の側に立って、物事を判断できない、医師の風上にも置けない
 ひどい医者だと、断定する。患者の側に立てば、患者はどのように
 悩んでいるのかが分かるはずである。
 事前にセカンドオピニオンを依頼し、快諾してくださっていた医師には
 事の次第を申し上げ誤ったが、この先生は、大学病院まで電話して
 してくださって、患者に大学の病理医から説明する機会を作ってくださった。
 同じ医師であっても、雲泥の差のある人もいる。
  ある、大学病院の医師から「医療不信についての連載は、読み応えが
 ありますね」と、お褒めのメールをいただいた。