中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

すい臓がんの早期発見は命を救えるか

 すい臓がんの早期発見は命を救えるのだろうか?
 先ほど書いた、Kさんからのメールへの返事のつもりでこの
 ブログを書いている。
 5年生存率という言葉がある。
 私はこの言葉が大嫌いなのだが、便宜上使うことにする。
 がんは、体のあらゆる臓器、器官に発生する。
 そんなところにも?と思えるような場所にも「がん」ができる。
 たとえば「涙腺」とかである。
 首から上のがんは「頭頸部がん」といわれ、治療を受けても
 予後はよくない場合が多い。
 部位やステージにもよるが5年生存率は数年前後である。
 首から下の臓器では圧倒的にすい臓がんの生存率が低い。
 最近はすい臓がんで亡くなる方が多く、注目を浴びていて、
 早期発見できれば命が救えるのではないかという論議が多い。
 今日紹介した「ガンとゲノム」の講演の中で西川先生は、すい臓がん
 の早期発見と治療に光明があるとおっしゃっていた。
 しかし、私は現実をたくさん見てきて、そうは思えない。
 もちろん、今後10年~20年後には早期発見で命を長らえる
 治療ができるかもしれないとは思っている。
 すい臓がんは、自覚症状がほとんどなく、何らかの自覚症状が
 あった時には、時すでに遅しだと言われている。
 しかし、千代の富士関もそうだったように、何らかの検査で「早期発見」
 できている場合も多い。
 私の周辺でも、自覚症状があったからではなく、何らかの検査のついでに
 見つかった人たちばかりだ。
 もちろん見つかった時点で早期だったのか、超早期だったのか、手遅れ
 だったかなどは、タイミングで違ってくる。
 超早期発見の人もいたが、2年もたなかった。もしこの方がすい臓がんだと
 知らないでいたとしたら、1年半後あたりに見つかって、「あと半年のいのち」
 だと言われてたかもしれない。
 だったとしたら・・・1年半の間は、がんのことに悩むことなくQOLを保った
 生活ができたかもしれない。
  がんはどうしてできるのか?
  がんを防ぐ方法はあるのか?
  これらが永遠のテーマだが、ガンははどうして生まれるのか・・・という
 もっとも基本的なことが、今もってわかっていないという事実がある。
 細胞分裂のミスだとか、ミスが重なるとがんになるとか、免疫力が落ちてきて
 できたてのがん細胞をやっつけることができなくなったからとか・・、理論上の
 説明はできても、正確なメカニズムは解明されていない。
 たばこ、酒、日常の食べ物、運動、ストレスなどなど、いろんなことを言われるが
 それらも決して、そうだと言い切れるものではない。
 極端に言い切れば、どうしてガンになるのか 「わからない」のである。
 だから、ガンに怯えるよりも、万一がんになったときの基本的な知識をもって
 おくことの方が重要だと、私は思っている。
 日本がん楽会(らっかい)では、「正しいがん知識講座」というのを30回以上
 開催してきたが、講師であるわたしの体力的事情から、いまは「がんサロン」のみ
 かいさいしている。