中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

胆管がんに朗報、他のがんにも効果があるかも

 ニュースと私見とを書きます。
今年のノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智さんが発見した抗生物
「イベルメクチン」は数億人以上のアフリカの人たちを救ったことで知られて
います。
 この抗生剤を使って治療が難しい胆管がんの抑制にも効果があることを
九州大学の研究グループが発見したというニュースがありました。
鈴木聡教授の研究グループは、このイベルメクチンに胆管がんの原因となる
たんぱく質の活性化を抑える働きがあることを突き止めました。
マウスを使った実験で、がんの増殖が抑えられたということです。
胆管がんは有効な治療法がなく、女優・川島なお美さんの死因にもなっ
います。
 大村博士がこの「イベルメクチン」に辿りつくまでのいきさつの中で興味深い
ことがあります。
 微生物にさまざまな栄養素を与えると、酵素の働きで化合物ができます。
その化合物の働きをいろんな方法で計測するとき、+ - の数字で表示されます。
ごく普通に考えると、マイナス表示が出た場合には効果がないものと考えますが、
大村博士はマイナスだったものに目を向けたのがイベルメクチンの発見につながった
と言うのですからすごいですよね。そこが、「人の真似をしない研究」を心がけて
こられた先生の素晴らしさでしょう。
 大村先生はイベルメクチン以外にも多くの薬品を作っておられます。
今回の九州大学の研究に刺激されて、大村先生が作った多くの薬品の見直しが
研究者たちによって行われる可能性があります。
 胆管癌だけではなく、他のがんにも効果がある薬品があるのかもしれません。
病気の多くは「タンパク質」と関係があります。がんもそうです。
多くの人たちがイメージしている「タンパク質」と言うより、人間の体内に10万種類
はあるだろうと言われる「タンパク質」のことなのです。