中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

奥の深い難民問題

 シリアなどからの難民が大挙してドイツを目指していると
いう報道が続いている。今回ドイツに入った難民の数はすでに
3万人を超えているらしい。
シリアは政府が壊滅状態にあり、イスラム国がシリアを乗っ
取りつつあるのが現状だ。
イスラム国と言う国は、世界のどの国も承認はしていないが、
実質上はシリアの大半を支配し、イラクでも国土の3分の1
ほどを支配下に置いていて、無視できない存在である。
 シリア国民の多くは内戦を避けてヨーロッパの国々へと逃げて
いる。
 国連難民高等弁務官事務所によると、シリアから国外へ逃げた
難民はすでに400万人を超えているというからすさまじい数だ。
 ハンガリーからオーストリアへ、そしてドイツへと向かっている
難民の数は増えるばかり。ドイツでは、受け入れた難民に対して
食事と住居を無料で与え、月額4万5千円ほどの金も与えることに
なっているので、多くの難民はドイツを目指すらしい。
(この金額は一人当たりでないかもしえない。家族あたりかも)
病気の場合の医療も無料で受けられる。
ドイツのこのような姿勢は、ナチスドイツがユダヤ人を大量虐殺
した償いなのだそうだ。だが、一方で、難民を襲う事件も多発して
いて、国内的には諸問題を抱えている。
 ニュージランドは、数百人程度の受け入れを表明し、豪州は多分
1万5千人ほどの受け入れを決めるだろう。
ブラジルは、どんどんいらっしゃいと言っているが、人数は決まって
いない。日本の難民受け入れは、とても規制が厳しく、昨年は難民
認定を申請した5000人の内、許可されたのは11人である。
 イタリアの大富豪が、イタリアやギリシャに対して、いくつかの島々
を私に売ってくれるなら、港も住宅も学校も病院も作って何十万人
もの難民受け入れると名乗り出ている。資金ならいくらでも出すと
言っているが、売名行為なのか、本気なのかよくわからない。
 以前に書いたことがあるが、あのベトナム戦争時の難民を日本も
受け入れた。日本を選んだ難民と豪州を選んだ難民のその後には
格段の差があることを14年間の豪州生活で知って驚いた。
 どの国に向かうのがよいのか、難民にとっても選択肢が難しいはずだ。
若い人で体力があるのなら、豪州やブラジルを選ぶ方がベストだろうと
私は思う。
 また後日書こうと思うが、シリア内戦を避けるためだけの難民ではない
と私は考えている。イスラム国に制覇された後のシリアには、イスラエル
との「非常に難しい問題」が発生することに違いない。世界の火薬庫に
なると考えられる。シリア国民の本当の恐れは、それだと思う。
書庫にある、イスラエル/イスラム問題の中の記事を全部読んでいた
だくと分っていただけるだろう。