中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

治療の選択肢と死の選択肢

 こんなタイトルでよかったのかどうかと思っていますが、多くの患者たちが
 悩む医療の選択肢とは、死の選択にも関係があると言いたいのです。
 私の病気治療を例にして書いていきますから、最後まで読んでください。
 医療に選択肢がある場合、だれがその選択を行うのか。
 すべてを医師に任せたいと考える人もいるでしょうが、最近の意志は
 「患者さんが選んでください」と言う場合が少なくありません。
 おれに任せておけと言うような医師は少なくなっています。
 患者には医療の知識が不足していると、家族が医療の選択に深くかかわって
 来ることもあります。
 多くの選択をを示されても、様々な条件を集約していくと、選択肢は狭くなり、
 本当は、ひとつだけとか、何もないという場合だってあります。
 では、医師に任せられるのだろうか。
 私のケースで考えてみたいと思うのです。
◆ 私はいろんな持病を持っていますが、最初に持病となったのは、喘息
 でした。今ならステロイドの吸入の良い薬がありますから、多少は事情が
 変わっていたかもしれませんが、私の場合は、ブレドニン錠での治療でした。
 20年間もブレドニンを服用していると知ると、どの医師も驚きます。
 かかりつけ医は、なんとかブレドニンの服用量を減らそうと工夫してください
 ますが、そうすると喘息が悪化するから面倒です。
◆ 次いで持病となったのは前立腺がんです。
 詳しい治療の経緯は、ここでは省きますが、PSA再発によって、リューブリン
 注射を受けることになりました。私の場合は、間欠療法と言って、時折注射
 を休む方法を取っていますが、それでも6年間程度は、このホルモン注射を
 受けたことになります。
◆ 昨年11月、肺塞栓症になりました。
 以前にも書きましたが、とても見つけにくい病名で、病名を見つける前に
 患者が死んでしまうことが多いとされる病気です。
 苦しくなっ足り、痛くなったりして緊急搬送されても、「病名」が分らないと
 治療ができないものなのです。だから、私の場合も、死んでいれば「心筋梗塞
 と言うことになっていただろうと思います。
 下肢からの血栓が肺動脈の半分を塞いでいました。
 高齢で治療ができないために、これ以上悪化しないようにと、フイルターを静脈内
 に入れました。右下腹部辺りにフイルターが入っています。
※ 血液をサラサラにするために、ワーファリン錠を服用しています。
  ですから、怪我などをすると出血が止まらなくなる可能性があります。
  1月、3月に目の大出血を経験しました。
◆ 私には「痔」病があります。
  写真をお見せするとさど驚かれるかと思います。
  先月、かかりつけ医にはお見せしておこうと思って見せました。
  医師は驚いて、「もし大出血したら、直接に労災病院へ行ってビタミンKの点滴
  をしてもらってくださいよ。うちでは対応できないから」と仰った。
  大きな血玉のようなものが、肛門の外に膨らんだ状態です。
  痔には、毎日1回座薬を入れていますが、この座薬はワーファリンの効果を高める
  副作用もあります。
◆ 痔で THE END(このジョーク分ります?)かと思っていたのに、昨年末に
  第1腰椎圧迫骨折になり、猛烈な痛みと、硬質のコルセットに悩みながら、
  骨折が癒える日を待つ日々です。
○◆ ここからが今日書きたいことです。
 肺塞栓症の原因となった血栓はどうしてできたのか?
 その答えは、ぜんそく治療のブレドニンと、前立腺がん治療のリューブリン注射です・
 泌尿器科医に「肺塞栓症」で入院していました、と告げると、即座に「リューブリンは
 やめておきましょう」と中止した。ちょうど間欠しようかと考えていた数値でもあった
 ので、その場で同意した。
○◆ 多分ですが・・・今年の10月を過ぎたころからPSAの数値が上がって
  来るでしょう。その数値は、これまでの経験から、まったく予測できません。
  ただ、ある一定以上に数値が上がっているのを放置しておくと、骨転移をおこし
  骨転移による疼痛が始まるだろうことは、患者会の会長としてよく知っています。
○◆ リュウーブリン注射を再開すると血栓が増えます。リューブリンの副作用欄に
   ちゃんと書かれています。血栓が増えて、呼吸不全で死ぬのが良いのか、
  骨転移の疼痛のなか、他の臓器への転移を経て死ぬのが良いのか。
○◆ かかりつけ医を含めて、私を診てくださっている医師の誰もが、その選択を
  してくれないだろうと思う。
○◆ このように、いろんな病気を抱えながら、医療を受けていると、医療を受けざるを
   得ない立場が情けない。年寄りはさっさと死ねよ・・と、言われそうにおもう。
   結局は、着地点を自分で決めたいのだけど、それがそう簡単ではない。
   医療の選択肢というよりも、死に方の選択肢があるとして、肺炎の重篤化が
   一番かと思うが、医師に言わせると、「肺炎で死ぬというのも、そう楽ではないよ」
   という。