中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

もうお忘れですか、イラク戦争のこと・・

 イラク戦争とは、2003年3月に、アメリカがイラク大量破壊兵器
 隠し持っているという情報により、イラク大量破壊兵器破棄を求
 始まった。
 フセイン大統領がアメリカ主導の国連決議に従わないから、イラク
 国内を捜索するという「正義」をかざして戦争行為に至ったものだ。
 ところがイラク国内をどんなに捜索しても大量破壊兵器は見当たらず、
 アメリカは情報が嘘だったことを認めている。
 大山鳴動して鼠一匹も出ず・・という無駄な戦争だったのに、双方に多くの
 犠牲者が出た。アメリカ兵の多くは「どうして我々は戦わなければなら
 なかったのか」と戦の虚しさを嘆いていたものだ。
 以上がイラク戦争のざっとした話だが、当時外務省のアラブの専門家
 と話したことがある。その内容をここに書いておくが、彼の分析はまことに
 正確なものだった。
 アメリカのブッシュ大統領は、アラブの歴史なんか学んだことがないの
 かもしらんな。あまり賢くないって思う。はっきり言ってイラクなどは
 山賊が集まっているような国なのだよ。だからフセインのような重しが
 あった方がまとまっているともいえる。フセインという「重し」を取って
 しまったらイラクという国はガタガタになるだろうな。イラクだけではなく
 周辺国も大きな影響を受けるだろう。アラブは高度な文明を持っているが、
 民主化は遅れている。
  イラクをいきなり民主化するなどと言ってもブッシュ大統領は必ず失敗する。
 アラブ諸国は、そう簡単にバランスを変えられるものじゃない。
 ブッシュ大統領は、日本を占領したときのように、イラクを占領すれば民主化
 が可能だと勘違いしている。この戦争は長引くし、アラブは一層ややこし
 状態になると思う』と。
 結果的には戦争終結まで8年かかった。その結果、イラク国内はガタガタ
 になり、隣国シリアは国家が崩壊しかけている。シリア崩壊がイスラム国に
 勢いをつけているといえるし、イスラム国によってシリアが解体されている
 と言い換えてもいい。
 イスラム国を作り出した元々のきっかけはブッシュのイラク戦争だと思っている。
 アラブ問題は難しい。自衛隊を派遣して人質を救出できると考えるのも浅はかだ、
 
 アラブ専門の外交官から聞いたことは、その後も事実となっていると思えないか。
 私は何を言いたいのか。日本は中東問題に足を踏み込まないのが賢明だと
 言いたい。ブッシュの二の舞になってはならない。
 テロと領土分捕り合戦の戦争とをしっかり見極めることだ。
 次回には、「イスラエルは黙ってはいない」で解説しよう。