前回の「全米テニスが面白い」に書いたように二人の活躍がすごい!!
今日の夕刊各紙のトップにほぼ次のような内容の記事が掲載されている。
ナショナル・テニスセンターで男子シングルス準々決勝があり、第10シードの錦織圭が
3―6、7―5、7―6、6―7、6―4で第3シードのスタニスラス・ワウリンカ(スイス)を
降して、日本選手として1918年の熊谷一弥以来となる96年ぶりの4強入りを果たした。」
よく考えてみてください、全米オープンゴルフの4位になっても新聞のトップ記事には
ならないし、ほかの競技の4位でもトップ記事扱いにはならないと思う。
言い換えれば、テニスの4大大会でベスト4に勝ち残ることがどれほど大変なことかと
いうことでもあるのです。
そして上記の新聞記事には間違いがあることを指摘しておきましょう。
96年ぶりにベスト4とどの新聞にも書かれていますが、それは違います。正確には
史上初めてと言うべきなのです。なぜならば96年前の大会はアマチュア選手ばかりの
全米選手権であって、プロが参加するオープン競技になってからベスト4になったのは
錦織選手が最初なのです。テニス競技の場合、アマチュアとプロとでは大きな差があります。
だから、今回の彼の快挙は凄いことなのです。
テニスほど過酷な競技は少ないでしよう。ベスト8進出ではフルセットで4時間19分と
今大会最長時間を要し、ベスト4進出では4時間15分のフルセットの末に勝ち取った。
彼の才能が目覚めたのはコーチであるマイケル・チャンのお蔭かもしれません。
マイケル・チャンが全盛期のころ私たちは豪州のパースに住んでいました。
徹夜しながら4大大会を観戦していたものです。当時のマイケル・チャンは小柄ながら
徹底的に拾いまくるテニスで強豪をなぎ倒していました。彼のバックボレーはコートの
隅に落とす絶妙なものでした。
錦織選手が頭角を現したころ、私たちは「マイケル・チャンの体型とよくしているから、
彼のようなテニスをすれば強くなるかもね」と話し合っていました。
昨年から、錦織選手がマイケル・チャンにコーチを依頼したと知った時に、今日を予感
していたものです。テニスの歴史にはいろんな流れがあります。その流れを感じながら
観るのも面白いものです。
クルム伊達公子選手は43歳。いったん引退して復活した不死身の女性です。
女子ダブルスで伊達選手もベスト4に勝ち残りました。凄いですね。応援しましょう。
ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターは、4大大会の中でも最も多く
観客を収容できるすごいところなのです。その中で試合ができることだけでも
とてもとても凄いことなのです。わくわくしますよね。