1昨日、神戸ポートアイランドのTRIにおいて、日本がん楽会主催の
がん講演会が行われました。
「いのちを守り・命を考える」というタイトルをつけてこれまで6回催してきましたが、
今回のサブタイトルは「がん医療の選択肢」でした。
参加されていた方々の中には、がん患者も多く、すでに最初の選択肢を行使した
でしょうから、再発、転移があった場合の「選択肢」に関心があったかと思われます。
参加されていた方で、途中でお帰りになる方がいましたので声をかけてみました。
その方は、顔のある場所にほくろがあり、長年気にかけたこともなかったのに、なぜか
気になり始めて病院に行ったところ、これは普通のほくろじゃないと思うから病理検査
してみましょうと、部分的にほくろを切り取ったそうです。
後日連絡があり、悪性黒色腫(メラノーマ)だといわれたということです。
そして、転移するタイプのものではないから安心してくださいと言われたが、傷口が治らず
化膿してしているとおっしゃっていました。
私なりのアドバイスをし、あとで専門医の考え方を聴いて連絡を差し上げますと
別れましたが、その方が私に告げた住所は申込書にはなく、連絡ができないでいます。
とのことでした。
常識的に言って、顔面のメラノーマが疑われる組織を部分摘出の生検するのは
とても危険で、生検したことで、がん組織が一挙に全身に広がる可能性もあると思うのは
私だけでしょうか。
この方の場合、場合によっては顔面の手術が必要でしょうし、そうなると鼻などを失う
結果となります。よく似たケースで、眼球を失った方を3人も見てきておりますので、
とても気の毒なケースです。
放っておくとリンパ腺や血管を通じて全身転移もあり得ます。
どのような医療の選択を行うのか、患者にとって厳しい選択肢となります。
人生をどう生きるかを問い詰められるのが「がん医療の選択肢」にはあるのです。
しかし、多くのひとたちは「がんは自分とは関係ない」と思っています。2人に1人が
がんになっているにもかかわらず、自分だけは大丈夫だと信じることは過信といえます。