中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

東電から、人材とは何かを考える(1)

 以前にも「人材:について書いたことがある。
人は誰もが、自分は人材だと思っているかもしれないが、本当の
人材は少ない。人罪と言える人もいる。
 これまでに何度も「東電は素人集団か」と厳しいことを書いてきたが、
いよいよその傾向が強くなってきた。
 福島の原発現場の厳しい環境の下で働く人たちの中に東電の社員は
ほとんどいないようなのだ。多くは下請け企業の社員、その下請けの
下請けのまた下請の作業員というような構図になっている。
 だから現場に来ている東電社員は、軍隊で言うならば参謀本部から
派遣された佐官級、尉官級とも言える将校だといえる。
 ところが、この将校クラスの東電社員が、現場で働く作業員たちへ
的確な指示を出せない(11月6日、NHK議論公論)というのだからあきれて
ものが言えない。
 地下水を食い止めるための井戸を掘る人材が集まらずに四苦八苦だと
いうし、原発建屋を囲むように設置する凍土計画も、まだまだ「計画」の段階
から前に進んではいないのが実情だ。
 そのような中で4号機から使用燃料の取り出し作業が始まることになった。
使用済み核燃料は放射線量が高く、もし人がそれに近づけば数時間で命を
落とすほどである。そのような危険な「使用済み核燃料」が4号機のプールに
沈められているのだが、計画では取り出すだけで1年かかるといわれている。
 しかし、重大な危険と隣り合わせの作業であり、安全なのかどうか心配される。
安全を求めると、1年では作業は終わらないだろう。
 何よりも、取り出した後の燃料を、どこでどのように保管するのか、まったく
決まっていない。トイレのないマンションなのだ。
 放射線量をたくさん浴びる作業員は、現場からだんだん減っていく。あとに続く
作業員が確保できるのかさえ、定まっていない。
 出たとこ勝負で、国民の目先をごまかしている東電と政府なのだ。実は、何も
確信のあるものがない。「コントロールされている」という首相の言葉は、たわごと
としか言いようがない。