中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

福島第1原発・「現場作業員のつぶやき」が本になった

  知るぞ知る、でも知らない人も多い「ハッピーさん」のつぶやきが
本になった。3・11から700日間・生の手記というサブタイトルが付いている。
 『福島第一原発収束作業日記』というタイトルで河出書房から出版
されているので、ぜひ多くの方にお読みいただきたい。
 新聞やテレビの報道でもわからないことが、現場作業員の彼の
つぶやきによって知ることができる。貴重な記録でもある。
 そのハッピーさんの最近のつぶやきの、ある部分をここに転載させていただく。
関心のある方は、ハッピーさんのツイッターで、この続きをご覧ください。
 人材が少なくなってきている、いや・・いなくなりつつと言えるほど深刻な
事態になっていると私は思っている。
 今後も、ハッピーさんのつぶやきに注目していきたい。
※ 注 (建設業では派遣は法律で禁止されています)
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 ハッピーさんの「つぶやき」の一部分の紹介です。
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昨日の東電広瀬社長の会見で「これまでも1Fは空間線量が高く、作業条件が劣悪なため、通常の人件費に比べ1万円を割増していた。今後は割増分を2万円とし割増分が確実に届いているかアンケートで確認する」って発表したんだけど、すんなり割増分と2万円が作業員の手元に届くかわからないでしよう。
そもそも、今まで1万円の割増が出てたなんていうのは東電が初めて金額公表したんだ。これは今まで東電は払ってます。だけど元請けに取扱いを任せてますからって事で金額公表されてなかったんだ。今までは、元請けにもよるけど手当金も出ない企業から1万円以上出す企業までバラバラだったんだ。
作業員は東電から上乗せ手当金で1万円出てることすら知らなかったしね。それが、いきなり昨日の発表で2万円って公表され、さらにアンケートで確認するって発表されたんだ。今日の報道を見た作業員は喜ぶ人がいるかもしれないけど、事はそう単純出はないし、簡単にいかないと思うんだよね。
環境省管轄の除染事業で1万円の手当金を文章だして強制的に作業員に渡すようにしたけど、一般には除染は手当が出てるんだって浸透してるけど、あれだって実はそれ以前の日当とあまり変わってないんだ。不思議に思う人がいるかもしれないけど、これにはカラクリがあって実際には増えてないんだ。
環境省は作業員に手当1万円が書面契約で出てれば問題ないから書類不備がなければ何も指摘しないしね。例えば分かり易くカラクリを言うと、以前は日当1万円+手当6千円で16000円だったのが、通達以降は日当6千円+手当1万円で16000円って項目変わっただけで金額は増えてないんだ。
だから、東電は手当出すけど同じようになるかもなんだ。それでも、日当6千円+手当2万円の26000円なら、かなりアップだけどね。でも、これも難しいんだ。東電から元請けに対し請負工事金額に上乗せされてるから、元請けから一次業者に払う時は、税金分は引かれて支給するだろうし…、
に下請け業者も同じように…。単純にそれぞれが10%引いていけば、五次、六次業者だと、かなり減ると思うし、八次、九次とかだと…。これは、国と同じようにお金だけ出せば、「我々は全面に出てやってますよ」ってスタンスと変わらないやり方で問題が多いんだ。
オイラは、東電が頑張ってる作業員に本当に届かせたい気持ちがあるのならば、手当は東電が、別枠で作業員に直接払う仕組みを作るべきだと思うんだ。契約上や法律上の問題は色々あるんだろうけど、そこは政府与党も野党も国会で特別措置とか考えて欲しいんだ。既存のルールじゃ難しいんだよね。
発注者の東電がアンケートで確認しても、どこまで実態把握が出来るかが疑問だし、作業員は常に弱い立場なんだ。いずれにしても、昨日の発表で元請け企業はじめ下請け業者も今後どう対処するか、かなり頭を抱えるはずだよ。作業員全員に東電の思い通りに2万円が届くといいんだけど…。でわでわ。