野村さんも「なんのためのドラフトか」と声を荒げている。
野球界では怖いもの知らずのお二人の発言だが、お二人とも間違っている。
もし、大谷君の選択を間違っているの言うのなら、ドラフト無視を続ける
巨人軍に対してもっと牙を剥くべきだと思う。
大谷君はメジャーを目指していた。それも若者の心意気といったものだと
おもう。日本球団には入らない、メジャーに行きたいという若者の気持ちを
もっと尊重して良いと思う。
日本ハムは、韓国の高校生がいきなりメジャーを目指して、どれほど厳しい
結果になったかを克明に調査して大谷君の両親に伝えたようだ。
いきなりメジャーに行くよりも、日本のプロ野球の育成プログラムの方が
優れていて、結果的に大谷君にはよいのではないだろうかと、両親を説得
したようだ。
アメリカのメジャーは、その傘下の下部組織を含めると巨大なものであり、
日本のようにルーキーを大事に育てると言うものではない。
メジャー選手は40名。その下に3Aに38名、2Aに37名、アドバンストに35名、
1Aに35名、ショートシーズンに35名、ルーキーに35名の選手、合計傘下
の選手だけで250名もいて、メジャーの40人枠に入るにはよほどの才能と
努力が求められることになる。
日本のプロ野球では、1軍28名、2軍42名以内であるから、1軍に入れる
チャンスはメジャーの比ではない。それにメジャーの場合は、3Aの選手でも
過酷な環境の下で生活しなければならない。日本の2軍のように、環境が
整っていないのだ。
だれが考えても、日本のプロ野球界でしっかり基礎を作ってからメジャーを
目指すほうがよいに決まっている。
日本ハムは、あらゆる調査を行ったうえで、大谷君の両親を説得した。
その努力を大いに褒めたい。一人の若者の夢を壊すことなく、育てようと
言うのだから、野村さんも星野さんも、もっと冷静に考えてみてはどうかと
おもう。
ドラフト制度云々は次元の違うものだ。中途半端なドラフト制度そのものが
問題なのであって、大谷君や日本ハムが悪いなどというのは間違っている。