中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

いじめ問題・だれが悪い?(9)豪州でのこと

 この前に、豪州でのクリニックや病院での経験を書いたが、今日は学校の話を
書いておこう。
ある私学高校の生徒(A)が校則違反を何度も起こしたので、両親ともども学校に
呼び出された。
 担任と校長が待っていた。
校長から、事実確認があった後に、一言「君を退学にする」と宣言した。それで終わった。
次、校長の前で言ったという。日本では100%考えられないことだろう。
 このA君が、別の私学に転校した。これも日本ではあり得ないほど難しいことだ。
だが、豪州では、退学処分を受けた生徒でも別の私学が受け入れる。
 今度の学校は自宅からやや遠かった。校則では、学校に車で来てはならないと
決められていた。A君は、車で学校の近くの同級生の家まで乗って行き、同級生の
家に駐車してから学校へ通っていた。
 それが学校にバレて、A君と両親、同級生とその両親が呼び出された。
A君の両親は、前回で懲りているので、ひたすら謝った。同級生の両親は、「学校に
乗ってきているんじゃない」と反論した。
 次の瞬間、校長はこう告げた「あなたの子供は退学処分にします」と。
そう・・同級生の方が退学になり、A君の方は助かったのだ。
こういうところが西欧の私学によく見られる傾向である。
 また、こんな話も参考になるかもしれない。
公立小学校の3年生の子供が、1か月ほど休学した。黙って学校に行かなかった。
家庭から学校に連絡していたのではない。子供が親にも内緒で学校をさぼって
いたのだ。
 しかし、学校からは一度も親に問い合わせの連絡電話もなかったという。
これはちょっと極端な例かもしれないが、事実である。
 一日休んでも先生から家庭に連絡を入れる。こんなことを当たり前のように
思っている、日本の親は間違っているのだということを言いたかったのだ。
  自分の子供は、家庭で守るのが原則であって、学校に預けておけば安心と
思う方が間違っている。
 学校なんて、何にも出来ないところだと、親が気付かねばならないと思う。
ノーベル賞を取った山中教授はこう言った。「教科書を信じてはいけない。
学校の先生の言うことを信じてはいけない。私の言うことも信じてはいけない」
 そう、自分で考える力をつけなさいということなのだ。
自分で考える、自分で生きる力を育てないで、どうして生きていけるだろうか。
支えるとは、つかまえることではない。支えるとは、どういうことか次回に書こう。