高齢の親を持つ人たちに是非読んでいただきたい。
病院やクリニックなどに、いろんな症状を訴えても「それは加齢現象ですね」と言われる
ことが多くなったとぼやく人たちが多くなった。
加齢ですね・・とは、変な言葉なのだが、これが通用するようになってきているから
面白い。本来なら「老化現象ですね」というべきところに「加齢」が使われるようになっている。
加齢が「華麗」に通じるような響きがあるからだろうか。
ところで、老化はいつ頃から始まるのだろうか。人によって多少の違いはあるだろうが、
20歳を過ぎたころから、下り坂のように老化が始まるのかもしれない。
しかし、一般的に言われる老化は、最近では65歳を過ぎてから使われたり、70歳を
過ぎた人に使われたりするようだ。
なにしろ、70歳からは前期高齢者、75歳からは後期高齢者と政府が名付けたのだから。
加齢現象と言っても、言葉が通じるだけで、その実態や肉体的な感じは、60歳未満の
人たちには理解できようなのだ。言い換えれば「人ごと」であって、いつかはわが身に降り
かかる重要な問題だと認識出来ないのかもしれない。
華麗だった、30歳台から50歳台の華々しい日々から、精力減退、インポテンツ、冷え症、
無関心、視力の低下、歯をめぐる諸問題、関節痛、免疫力の大幅低下、持病の病状進行、
頭髪の減少、筋肉減少による各種の痛み、手足のしびれ、腰痛などなど、次から次へと
襲ってくる。これでもか、これでもかというほど、次からへと体調の変化が起こる。
今年のような厳しい暑さが続くと、体力の衰えが一段と速くなる。高齢者の親が、
しんどい、痛い、暑い、寒いと訴えても、若い息子や娘たちの耳には、その訴えがどれほど
辛い叫びなのかが分からないし、親が発する信号に気付かない。
「親孝行したい時には親はなし」と言うけれど、親の叫びに早く気付いて上げられれば、
少しでも親孝行ができるというものだ。 (続く)