世界的に見て、日本と言う国の文化度は高い。
同じ人生を生きるなら、やはり文化度の高い生活をした方が得では
ないかと思う。
私の場合は、とても文化などとは縁の遠い時代に、縁の遠い地方で
育った。しかし16歳の時、それで3軒目となる丁稚奉公先(住み込みで働く)
の親方がとても文化的な人で、小僧の私に「本を読め、クラシック音楽を
聴け、映画を観よ」などと教えてくれた。
しかし、生きるのに精いっぱいの時代にそんな悠長なことができるわけがない。
なにしろ、朝から晩まで働くのだから時間もない。
それでも20歳を過ぎるころから、その時の親方の言葉を思い出して、本を
読み、クラシック音楽を聴くようになった。そして今ではクラシックは大好きで
ある。
特に、ベートーベンの第5番(運命)や第9番などは何回聴いても飽きることは
ない。
クラシックフアンになってバレエダンスも好きになった。何しろチャイコフスキー
のものが多い。「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」などがある。
そのほかに「海賊」や「コッペリア」なども面白い。
ミュージカルは、ニューヨークのブロードウエイ、ロンドンのウエストエンド
に何度も足を運んで劇場をはしごして回ったものだ。
若いころ、その日を生きるのに精いっぱいだった少年が、世界を駆けま
わってミュージカルを観たり、オペラを鑑賞し、バレエダンスを観に行くことに
なろうとは夢にも思っていなかった。
文化度の高い生活を強く望むことで、その人の生活が変わり、人生まで
変えてしまうことがあると言うことを、ぜひ知ってほしい。
本も読まない、クラシックの話も出来ないでは「類は類を呼ぶ」ことわざ通り
生活の質を上げるチャンスをくれる人たちにもめぐり合えないものだ。
文化度を高く持っていると、類は類を呼んで、その人に新しいチャンスさえ
もたらすことがある。若い人たちよ、今からでもトライしてみようではないか。