中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

ベントが出来ていなかったとは・・

 今朝の新聞報道によると、福島第1原発事故の際に
ベントが上手く行えていなかったことが判明したと言う。
今回の原発事故の根源的理由でもあるベントが行われて
いなかったとすれば、今後に波紋を残すだろう。
 すでにIAEAへの報告でも「ベントは正しく行われた」と報告済み
であり、国際的にも不信感を持たれるだろう。
 問題はあやはり、電源喪失で、弁の開放が電力による自動操縦
が行えず、その上、真っ暗な中での手動でベント作業をしたことである。
手動ではベント弁が重くて充分に開けることができず、中途半端な
開け方だったので、弁が戻ってしまったようなのである。
 今回の事故は、世界的にも初めての経験であり、何事も電力に
頼ってきた原発も、足元が見えなかったということである。
 ベントを決めるまでに手間取り、決めてからは、ベントのやり方が
分からず、設計図を引っ張り出して検討し、暗がりの中で、最小人員に
よって行われた力仕事だったが、危険が迫る中、中途半端な作業に
なったのではないかと思われる。
 政治的にも問題となった「ベント」だが、世界中の原発現場でも、
万一の場合のベントの在り方が集中論議となるだろう。今ちょうど
IAEAで専門部会が開かれている。他の原発の事故対策にも、役立てる
論議を尽くしてほしいものだ。