花押の世界・視点を変えれば人生変わるかも。
私の友人に望月さんがいる。彼とはもう十年以上の付き合いになる。
友人と書いたが、実は私と妻の書道の師でもある。
幅広い活躍をされていて、いつもボランティア精神にあふれている。
これらは私と実によく似た生き方であり、それだけに貴重な友人と言える。
書に関しては全く頭が上がらない。師であるからというのではない。彼の
創作センスの素晴らしさにほれぼれしてしまうからである。
そして、視線を変え気持ちの持ち方を変えれば創作は難しくないよと
教えられる。
かれは、書の大家であるし印章店の経営者であり、少年ラグビーの指導者であり、
ある時は盲人の方たちのPC指導者である。
彼は先日「花押展」を開催し多くの人たちを魅了した。
花押と聞いてピンとくる人はどれほどいるのかわからないが、いつも説明
しないと分かってもらえないのが一般の方たちだ。
彼は、歌手・小椋桂さんのCDアルバムの表紙をたくさん書いている。
私の場合も、オーストラリア・パースで兵庫県文化センターの開館10周年
事業として書道展を開くことになり、彼に全面的なご協力を得たものだ。
また、社会福祉法人「サポートネット・虹の会」を設立した時には会の
ロゴマークをお願いした。もちろんこの組織は今も健在で、ロゴマークも
活躍している。帰国してからは、「日本がん楽会」のロゴもお願いして
書いていただいた。そんな関係である。
彼が「花押」の創作に取り掛かったもは10年ほど前だっただろうか。
研究そのものは、ずっと前からやってこられていたようだ。
花押は、日本古来の署名文化ともいえる。いつも間にか中国由来の印章だけに
置き換えられたが、わが国では本来、欧米以上に署名が重要であった。
戦国武将の花押が現在放送中の「天・地・人」に何度も現れるが、その格調高い
ところを、是非大河ドラマでも見ていただきたい。
現在も、名のある方々の中には「花押」を署名として使っている方が少なくないらしい。
彼は先日「第3回・花押展」を開催したが、その時の感動を絶妙に表現しておられる
方がいる。久米繊維工業株式会社社長の久米信行氏である。
ここでは久米さんの言葉をそのまま拝借させていただきたい。
花押に興味を感じられた方はぜひとも http://www.kakusenryu.jp/に
アクセスして、その素晴らしい世界を観ていただきたい。
あなたの視野が大きく広がるのを感じることだろう。
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驚いたのは正面に飾られた先生の作品です。
義の時代だからこそ仁。
まさに家康と同じ境地で、
重荷を担いで荒野を一人歩む人が見えますか?
また、自分の花押を創作するワークショップに私も参加させていただき、
最後は先生の筆によって命を吹き込まれた花押がこれです。
望月鶴川先生は、頭で考え過ぎてはいけないと言います。
まさに先生の筆は自由闊達に動きまわり、
時に太く、そして細く
時に速く、そしてゆったりと
偶然を融通無碍に楽しみながらも
ある必然の形に到達するのです。
自ら在る。自ずから在る。
まさに自在の境地がそこにあります。