口癖のように言う。
わたしの祖母がそうだった。常に「私は武士の娘です」と言い、誇り高く生きていた。
祖母にはいろいろ教えられた。百姓なのに、障子の開け閉めの作法までうるさかった。
音を立てないという厳しい教えもあった。 だから、我が家では妻にもそれを教えて
いる。ドアノブを手放してバン！と閉めないようにと。 静かにドアを閉める。だから
夜中でもドアの音で目覚めることはない。
祖母の教えの中で、一つだけ・・あれは違うのでは？と、思うものがある。
「たけしよ、金儲けを考えるのは下品なこと。金儲けなどを考えて生きてはあかん」と。
わたしの人生の中で、金儲けのチャンスは何度かあったが、金儲けを考えないように
生きてきた。 よかったのか？？悪かったのか？ 損をしたような気もするが・・。
祖父は酒を飲むと「痩せても枯れても中原清吉、近衛連隊歩兵第２連隊」と叫んでいた。
