前3回に、私の人生で一番つらかったことを書きました。
辛かったのですが、そのことが私を強くしたのだとい思います。
どんなことがあっても帰る場所がなくなったのですから。
「獅子は、子育てが終わると子供を千尋の谷に突き落とす」と言う言葉がありますね。
子育ては終わったのだから、あとは自分で生きなさい。
千尋の谷から這い上がってこいということでしょうね。
拙書「教育の原点」の中にも書きましたが、私は祖母を恨んではおりません。
あのことがなければ、心のどこかに(甘え)が残っていたかも知れません。
背水の陣という言葉がありますが、それ以降の私は、まさに背水の陣の人生だとも言えなくもない。
二つ書き添えておきます。
祖父が亡くなる少し前に我が家に来ました。
家に上がろうともせず、私に「お前の気持ちはよく分かっている。辛い思いをさせた」とだけ言って帰って行きました。
祖父が亡くなったときの葬儀では私なりに精一杯のことをいたしました。
それから3年後、となり町で縫製工場を経営している私の許に祖母がやってまいりました。
祖母も家に上がろうとはせず、お前に頼みたいことがあって来たんだと。
「おばあちゃんが死んだとき、おじいちゃんにしてくれたような葬式をしてほしいんやけど、してくれるか?」という。
当たり前やろう、おばあちゃんのときもちゃんとするさかい、と言うと、頼むよと言って帰っていった。
祖父は突然訪ねて来て直ぐに脳梗塞で亡くなった。
祖母は、私の家に来たあとに脳出血で中風となり、約8年ほど寝たきりになった。
8年という長い年月を介護した(叔父のお嫁さん)は、私と同い年で、今もお元気だ。
祖父も祖母も辛かったのだろうなと思った。
父の兄弟11人を全てをよく知っているのは私だけだ。
語り部として、娘たち、孫たちに伝えたいが、多分聞く耳を持たないだろうな。
次は(井戸の話)です。