三笠宮様は100歳まで生きられたが、子供たちは三人とも
先に逝ってしまわれた。
ご両親が長生きされているのに・・と不思議に思ってしまう。
遺伝子的に考えると、三人とも両親より先に亡くなられたのは
どうしてなのだろうと考えてしまう。
このように、両親が長寿だから子供もということにはならない
ようなのだ。
わたしの場合、子供のころからなんとなく元気という感じでは
なかった。朝早くから牛のえさである「草刈り」に出かけ、学校から
帰ってからは、田んぼの作業に行かされていたが、かなり苦痛だった。
戦中戦後とも食料不足だった。タンパク質は、タニシ、菱のみ、ドジョウ、
フナ、など自分で取ってきたものが主だったから、あんな食事で
よくぞ凌いでこられたものだと、いまになって思う。
父が、シベリア抑留から帰還したものの、帰国した日に胃の全摘
手術を受け、翌年に42歳で亡くなった。
だから、なんとなく私も長生きできないなと思い続けていた。
いま振り返ると、それが良かった。とにかく5年間だけ頑張ろうと、
5年刻みで、猛烈に働いた。5年間で一つの物事を成し遂げようという
計画で生きてきた。
豪州移住した時も、妻に「ここで死ぬことになるからね」と言って
いたものだった。
それが、予想外、計画外に82歳を超えてしまった。
これまで、なんども長生きなど考えたことがなかった。
だから、高齢になってからの計画を持ち合わせていない。
日々老いてはいるが、それがいつ終わるのか予想できない。
金だってなくなるぞ、どうしたらいいのだ、とおもう。
たぶん、多くの高齢者が同じ思いを持ちながら、長寿に至ったの
だと思う。