オーストラリアは喫煙には厳しい姿勢を以前からもっていたが
このたび新年度予算案に、2017年から4年間、毎年12.5%ずつ税率を
上げる大幅なたばこ増税を盛り込んだ。
25本入りの1箱が25豪ドル(約2000円)と、今でも世界屈指の高額だが、
2020年には40豪ドル(約3200円)になることになる。
1991年に豪州・パースに遊びに行った従弟は帰国して、2度と行かない
と憤ったように言ったものだ。
「観光バスの中ではビールもタバコもダメだというし、自動販売機に
酒もたばこも売ってないし、町中が花臭くて・・何のために旅行に行った
のかと、腹立たしい」と。
日本のように、なんでも自動販売機で売っている国に住んでいると、
それが世界の「普通」だと思ってしまう。
豪州はアメリカとほぼ同じ時期に、3人以上集まるような施設での禁煙
を決めるなど厳しい姿勢を貫いている。
自分の家か、自分の車以外ではほとんど喫煙できる場所がないのだ。
どうしてこんなに厳しいのか。
喫煙による疾病で、政府負担が多くなるのを防ぐためなのだ。
それがわかっていながら、あちこちの顔色を窺って実行できない日本政府と
違って、どんどん前に進めていく豪州政府の取り組みが正しいのかどうかは、
15年も経てばよくわかるだろう。
肺がんなどは、体の中にがん細胞ができて発見されるまでに15年~20年
ほどかかる。喫煙に厳しい姿勢を貫いてきたアメリカなどでは、がん患者が
減りつつあるということも、今回の決定の要素だろう。
< 中原武志のブログ http://blogs.yahoo.co.jp/atlastakeshi >