中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

集団的自衛権(コメントに答えて)について。

 いただいたコメントに「集団的自衛権について意見を書いてほしい」と
書かれていました。
NHKTVでは今夜9時から、この問題のスペシャル放送が予定していて「激論」
が期待されているそうですから、一足先に私の考え方を書いておきましょう。
 
 集団的自衛権とはどういうものでしょう。まずこれを理解しておいてください。
アメリカとは日米安保条約が結ばれていて、日本が外国から攻撃されたときに
アメリカが守ってくれる約束になっています。どのために日本国内にアメリカ軍の
基地が置かれているのです。
ところが、もしアメリカが攻撃されたら・・・たとえば日本に配置されているアメリカ軍艦
が公海上で攻撃を受けたときに、日本の自衛隊はこれを守れるかどうか、という
問題です。もし日本に近いグアム島がロケット攻撃されたときに日本は、攻撃した
国に向かって攻撃を加えることができるか・・という問題です。
 
 自国への攻撃に対して反撃することを「個別的自衛権」と言います。同盟国が攻撃
を受けたときに反撃することは、国連憲章51条で認められています。
しかし、日本は、1981年の鈴木内閣のときに、「憲法第9条で許される自衛権行使は、
わが国を防衛するための必要最小限の範囲にとどめるべきだ、集団的自衛権は、その
範囲を超え、憲法上許されない」と閣議決定しました。その後の内閣もこの閣議決定
支持して今に至っています。
 しかし、安倍内閣は解釈の範囲を広げて集団的自衛権の行使ができると主張して
いますが、集団的自衛権行使までにはいくつもの法律改正などが求められることに
なるでしょう。しかし、今の安倍政権は圧倒的な議員数を誇っており、やろうとすれば、
何事も可能な状態でもあります。
 憲法第9条さえなくしてしまおうと「憲法改正」を視野に入れています。
 
 安倍政権は、中国や韓国と、ある意味では意図的に摩擦を増やしています。
外国との摩擦が大きいほほど内政的にはナショナリズムの意見が高揚して、政権の
支持率が上がり、国防力を高めようという意見が多くなるものです。
安倍氏の政治的な意図が読み取れると私は思っています。
 先ず、何より憲法第9条はよいのか悪いのか、必要なのか不必要なのかを各自が
考えてみることです。戦争を放棄した第9条は世界のどの国にもない、素晴らしい
憲法だと考える人もいれば、あれはアメリカ主導で作られた憲法だから容認できない
と考える人もいます。
 私個人の考え方としては、集団的自衛権容認もあり得ます。しかし、アメリカという
国が信用できないのです。そして日本の高級官僚も信用できないのです。
アメリカという国は、これまで世界各地でCIA(情報機関)が画策して外国の政府を転覆
させたり、自国が有利になるために何でもありの画策を意図的にやってきました。
各国の内乱の影にはCIAが絡んでいるといわれるほどです。
またイラク攻撃のように無理難題を突きつけて戦争に持ち込むということを何度も
やってきた国です。
それは、いまロシアがウクライナでやっていることと同じようなものだと考えるとわかり
やすいでしょう。アメリカのCIAとソ連KGBが長い間対立していましたが、ソ連KGB
ロシアになってSVRと呼ばれています。英国のM15とM16も同じような機関で、映画007
は、M15やM16の活躍を描いたものです。
 ウクライナ問題はCIAとSVRの闘いでもあるわけです。プーチン大統領KGB長官だった
ことを忘れないでおきましょう。国際問題の陰にはこのような諜報機関が暗躍しています。
 日本が集団的自衛権を持つようになれば、アメリカは意図的に日本を巻き込む「事件」
をたくらむ可能性だってあります。
その時、日本政府は冷静に対応できるでしょうか。
原発事故の時と同じで、リスク管理がなく、非常事態に備える能力の低いこの国の高級
官僚たちが、国益を考えた最適な対応ができるとは信じられません。
 日本という国を主導しているはずの高級官僚たちの能力が今のままでは、集団的自衛権
容認などできないというのが、私の考え方です。
 戦争体験のない安倍さんは、そのあたりを軽く考えているのではないか問う危惧もあります。