中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

東電社長の言葉と現実とのずれ

 これまで何度も「東電はあほ集団か」などという失礼な文章を書いてきた。
原発村」と言えば東大出身者で占められているということはよく知られて
いる。アホどころか秀才の集まりなのだ。
そう秀才たちが、どうして汚染水対策に遅れを取っているのかという思いが
「あほか」という激しい言葉となっている。
 月刊・文藝春秋新年号に、東電広瀬社長と田原総一朗氏が対談をしている。
詳しいことは文藝春秋を読んでいただきたいが、ここではその一部だけに絞って
書いておきたい。
 広瀬社長
 『例えば、汚染水の問題であれば、水を止めるという技術が必要です。その
技術は東電の水力発電所のダムの技術と極めて似ている。火力発電所には
燃料を入れるタンクがごろごろしていて、タンクを作ったり、メンテナンスする
ノウハウがあります。福島第一の廃炉作業で必要な技術は、オール東電の
中で必要な技術者をそこに投入できる形にしたほうがいい。うちには電気の
あらゆる専門家がごまんといるわけでだから、その中で適材適所をやった方が
無難だと思います』
 
 実は、私もそのような東電を信じていたし、そうあってほしいと願っていた。
しかし現実はどうか。広瀬社長の言葉に真実味が感じられない。
大型水力発電所ダム建設のプロが福島第一原発の地下水防御もできない。
火力発電所にはタンクがごろごろというけれど、汚染水を入れるタンクはビスが
ゆるんで汚染水が漏れたり、地盤のレベルも無視した建て方をして斜めになって
いるものもある。オール東電の力がその程度だと自白しているように私は感じて
しまった。
 凍土地帯を作って汚染水を止めるというが、うまくいっても2年先の話だし、
それが成功するとはとても信じがたい。
 オール東電の力を結集して、国民の不安を取り除いてほしい。
そうでなければ世界から冷たい目で見られるだろう。2020年という五輪の年
とは、そういう意味でも世界の注目の的なのだ。