これまで何度も「東電はあほ集団か」などという失礼な文章を書いてきた。
「原発村」と言えば東大出身者で占められているということはよく知られて
いる。アホどころか秀才の集まりなのだ。
そう秀才たちが、どうして汚染水対策に遅れを取っているのかという思いが
「あほか」という激しい言葉となっている。
詳しいことは文藝春秋を読んでいただきたいが、ここではその一部だけに絞って
書いておきたい。
広瀬社長
『例えば、汚染水の問題であれば、水を止めるという技術が必要です。その
燃料を入れるタンクがごろごろしていて、タンクを作ったり、メンテナンスする
ノウハウがあります。福島第一の廃炉作業で必要な技術は、オール東電の
中で必要な技術者をそこに投入できる形にしたほうがいい。うちには電気の
あらゆる専門家がごまんといるわけでだから、その中で適材適所をやった方が
無難だと思います』
実は、私もそのような東電を信じていたし、そうあってほしいと願っていた。
しかし現実はどうか。広瀬社長の言葉に真実味が感じられない。
火力発電所にはタンクがごろごろというけれど、汚染水を入れるタンクはビスが
ゆるんで汚染水が漏れたり、地盤のレベルも無視した建て方をして斜めになって
いるものもある。オール東電の力がその程度だと自白しているように私は感じて
しまった。
凍土地帯を作って汚染水を止めるというが、うまくいっても2年先の話だし、
それが成功するとはとても信じがたい。
オール東電の力を結集して、国民の不安を取り除いてほしい。
そうでなければ世界から冷たい目で見られるだろう。2020年という五輪の年
とは、そういう意味でも世界の注目の的なのだ。