中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

華麗・加齢・老化・退化(3)

 年老いた親を持つ人たちに読んでほしくて書いています。
これまで(1)~(2)に書いてきたように、高齢になるといろんな肉体上の退化が
見られます。その中には、生活の質をかなり損なうものが多く、高齢者は痛みなどを
辛抱しながら毎日を過ごしています。
 でも、症状があるたびに口に出して言うわけではありませんから、周囲の人は
気付かないでしょうし、口に出して言っても「また、言ってる」と言うように軽く受け流して
いるのではないでしょうか。
 かといって、高齢者の方が、若い人に同情してほしいなどと思っているわけではなく、
真実を伝えたいと思っているだけだと思います。そのような声を真摯に受け止めて
置くと、自分が高齢になった時に参考になるかもしれません。
 電車の優先座席に悠然と、平気で座っている若者たちは、高齢者の真の苦しみや
痛みが分かっていないのだと思っています。
 高齢者をいたわるという、美しい日本の慣わしがいつも間にか消え去って言っていることに
寂しさを感じるのは、私だけでしょうか。
 (2)では頭部の変化について書きました。
さて、今日は首から下にまいりましょう。咽喉も退化してきます。若いころが美声だった人も
声がガラガラ、高い音が出ないなど、カラオケでも充分楽しめなくなるものです。
 高齢になると、食べたものが肺に入ってしまう「誤嚥」が起こります。人間が言葉を得る
ことと引き換えに失ってしまった機能と言われていますが、、口から入った食べ物は、
食道から胃にはいります。普段は空気が肺への酸素を送るために「弁」が肺の側に
開かれ、飲食をするときには、弁が胃の方に開かれるようになっています。
 しかし、高齢になると「弁」に指示を出す脳の働きが遅れ気味になり、飲食したものが
肺へと流れていき、「誤嚥」とり、肺炎を起こす原因ともなります。
 高齢者に肺炎が多いのはそのためです。タバコと酒に縁の深い人たちは、高齢に
近づくと「食道がん」「喉頭がん」が出てきます。がんは、発見されるまでに10年以上
かかりますから、生活習慣病だといえます。症状があって発見なれた時には、すでに
かなり進んでいて、治療も辛いものになります。
 食道の次は「胃」です。胃の場合は、誰もが何度も異常を感じた経験があるでしょう。
食べ過ぎ、飲みすぎによって不快感が出やすい臓器でもあります。高齢による胃の
病気は、がんが一番多いのですが、高齢になると胃の働きが不活発になり、食欲も
落ちてきます。だんだん食事量が減ってくるのです。
 よく観察していると、70歳と75歳では、かなりの食事量に変化が起こっているはずです。